研究課題/領域番号 |
20K21466
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
竹居 光太郎 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (40202163)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | LOTUS / アミロイドβタンパク質 / Nogo受容体 / PirB / シナプス形成 / アルツハイマー病 / 認知症 / 治療法開発 |
研究開始時の研究の概要 |
LOTUSのNgR1とPirBに対するAβ抑制作用についてin vitro実験系(培養神経細胞を用いた実験系)とin vivo実験系(アルツハイマー病モデル動物とLOTUS過剰発現動物を用いた実験系)の双方で詳細に解析し、LOTUSによる記憶障害の改善作用を検討する。また、LOTUSの発現減少の分子機構を解明し、LOTUSの発現低下を阻止する方法論を提唱する。これらによって今まで検討されたことのない革新的なアプローチによる認知症の予防策 とアルツハイマー病型認知症の治療基盤の創成に挑戦する。
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研究成果の概要 |
LOTUSはアミロイドβ(Aβ)とその受容体であるPirBの結合を約30%減弱させ、培養海馬神経細胞におけるAβ濃度依存的なコフィリンの脱リン酸化(活性化)を抑制して、Aβによるシナプス密度の減少を抑制した。他方、培養海馬神経細胞において、インターロイキン-1βがLOTUS発現量を減少させ、逆にインターロイキン-6(IL-6)と脳由来神経栄養因子(BDNF)は発現増加をもたらした。IL-6とBDNFは培養海馬神経細胞のシナプス密度を増加させ、BDNFはNogo66による神経突起伸長阻害を完全にブロックした。アルツハイマー病モデル動物におけるLOTUSと Aβの発現量を検討中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Aβの蓄積を防御する方策としてAβ産生の制御法がアルツハイマー型認知症の克服において重要視されているが、Aβ受容体の機能制御を目指す研究は皆無に等しいため、本研究は極めて新規性に富んだ研究と言える。また、LOTUSの生理機能に着目した治療戦略は斬新性に富み、非常にチャレンジングな研究課題である。LOTUSの発生期の神経回路形成機構に寄与する生理機能を神経変性医療技術に利用する考えは比類なきものであるばかりか、内在性物質を利用することで副作用リスクの少ない創薬研究にも発展する。更には、本研究は従来のAβ産生の制御法と併用することで相乗的効果が期待できる画期的な創薬研究となる。
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