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滑膜肉腫の原因となるSS18-SSX相互転座融合遺伝子翻訳産物の創薬構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K21470
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分47:薬学およびその関連分野
研究機関筑波大学

研究代表者

岩崎 憲治  筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (20342751)

研究分担者 竹中 聡  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科部長 (00588379)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード滑膜肉腫 / クライオ電子顕微鏡 / SBDD / 天然変性タンパク質 / 染色体転座 / SS18-SSX / ヌクレオソーム / 構造解析 / 創薬 / 軟部腫瘍 / 構造生物学 / エピジェネティクス
研究開始時の研究の概要

滑膜肉腫(SS)は,治療終了後も長期にわたって局所再発・遠隔転移の検査が必要な予後の悪い悪性軟部肉腫である.SSは染色体相互転座の結果生じる融合遺伝子の翻訳産物SS18-SSXが原因で発症することが強く示唆されており,その機能および原子構造解明を行うことは,創薬の基盤となる重要な知見を手に入れることになる.また,融合遺伝子だけでなく,それを構成する遺伝子の野生型の解析は,サブタイプ(SS18-SSX1とSS18-SSX2)別の発症機構解明につながる.これらを踏まえて,SS18-SSX融合タンパク質およびそれらを構成している野生型のSS18,SSX1,SSX2の構造および機能解析を行う

研究成果の概要

研究計画で期待される成果よりはるかに大きな成果が得られた。全長SS18-SSX1、SSX1と2に関する各種フラグメントに発現および精製プロトコールの確立に成功した。大部分が天然変性タンパク質であることがCD測定などにより判明したため、X線結晶構造解析ではなく、クライオ電顕単粒子解析、溶液NMR、高速AFM、EMSA等の生化学実験を駆使して解析を行った。その結果、SSX1のC末端領域とヌクレオソームとの複合体としてその構造を解明することに成功した(学術論文投稿準備中)。さらにAMED事業の支援によりインシリコ化合物スクリーニングを行うことができ、本課題を完遂することができた

研究成果の学術的意義や社会的意義

滑膜肉腫はいわゆる希少がんである。がんといえば、上皮細胞由来の癌腫、造血器悪性腫瘍が取り上げられることが多く、日本における悪性腫瘍全体の1%ともいわれる肉腫の研究を念頭においた文章をみかけることは少ない。このような疾患こそアカデミアで行うべきである。今回、希少がんというだけでなく、天然変性タンパク質というSBDDとしてのアプローチの難しい原因タンパク質に対して、その端緒につくことに成功したことは非常に大きい。萌芽としての意義を100%果たし、この薬開発の可能性を見いだせた成果は大きい

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (16件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 滑膜肉腫関連タンパク質SS18-SSX2 C末端領域の機能構造解析2023

    • 著者名/発表者名
      渋谷綾音, 高橋花南 , 堀越直樹, 谷一寿, 宮ノ入洋平, 吉永匡希, 吉田尚史, 竹中 聡, 胡桃坂仁志
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 天然変性タンパク質 (ドライバー遺伝子 SS18-SSX1が引き起こす滑膜肉腫の新たな発症機構~HS-AFM,NMR,cryo-EMを使って~2023

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治
    • 学会等名
      中性子構造生物学研究会、生物・生体材料研究会、CBI研究機構 量子構造生命科学研究所合同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 天然変性タンパク質が引き起こす滑膜肉腫の発生機構2023

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治
    • 学会等名
      基礎から学ぶ最新NMR解析法-第6回ワークショップ-統合型構造生物学研究-
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 天然変性領域SSX1RDとSSX2RDのヌクレオソーム結合様式の比較2023

    • 著者名/発表者名
      渋谷綾音, 谷一寿 ,高橋花南, 堀越直樹, 宮ノ入洋平, 吉永匡希, 吉田尚史, 竹中 聡, 胡桃坂仁志, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      第12回日本生物物理学会関東支部会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ヌクレオソーム酸性パッチとSSX1またはSSX2の相互作用力解析に向けた定性測定2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木理惠, 高橋花南,堀越直樹,権藤花奈,竹中聡,胡桃坂仁志,岩崎憲治.
    • 学会等名
      第12回日本生物物理学会関東支部会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ヌクレオソーム酸性パッチとSSX1またはSSX2の相互作用力解析に向けた定性測定2023

    • 著者名/発表者名
      韓叡佳, 高橋花南, 吉永匡希, 堀越直樹, 竹中聡, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      第12回日本生物物理学会関東支部会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 天然変性タンパク質SSX1の新規機能が引き起こすクロマチンリモデリング異常のメカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 堀越直樹, 谷一寿, 宮ノ入洋平, 古寺哲幸, 西村正宏, 加藤広介, 竹中聡, 胡桃坂仁志, 岩崎憲治
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 天然変性タンパク質SSX1の新規機能が引き起こす滑膜肉腫発生メカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 堀越直樹, 谷一寿, 宮ノ入洋平, 古寺哲幸, 西村正宏, 加藤広介, 竹中聡, 胡桃坂仁志, 岩崎憲治
    • 学会等名
      第95回生化学大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 天然変性タンパク質が引き起こす滑膜肉腫発生の新規メカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 堀越直樹, 谷一寿, 宮ノ入洋平, 古寺哲幸, 西村正宏, 加藤広介, 竹中聡, 胡桃坂仁志, 岩崎憲治
    • 学会等名
      第60回生物物理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 天然変性領域で構成される SSX1 の新規機能から明らかになった滑膜肉腫発生のメカニズム2022

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 堀越直樹, 谷一寿, 宮ノ入洋平, 古寺哲幸, 西村正宏, 加藤広介, 竹中聡, 胡桃坂仁志, 岩崎憲治
    • 学会等名
      第48回生体分子科学討論会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 腫瘍性融合タンパク質 SS18-SSX1 における C 末端領域のヌクレオソームへの結合様式2022

    • 著者名/発表者名
      小淵里恵, 堀越直樹, 谷一寿, 吉永匡希, 吉田尚史, 竹中聡, 胡桃坂仁志, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      第22回日本蛋白質科学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] SSX1 に示唆される新規の DNA 結合ドメインとその溶液中構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 古寺哲幸, 宮ノ入洋平, 加藤広介, 西村正宏, 堀越直樹, 胡桃坂仁志, 竹中聡, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      第22回日本蛋白質科学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 滑膜肉腫関連タンパク質 SS18-SSX1の新規機能2022

    • 著者名/発表者名
      高橋 花南, 古寺 哲幸, 宮ノ入 洋平, 加藤 広介, 堀越 直樹, 胡桃坂 仁志, 竹中 聡, 岩崎 憲治
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] SSX1に示唆される新規のDNA結合ドメインのその溶液中構造解析2021

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 古寺哲幸, 宮ノ入洋平, 加藤広介, 堀越直樹, 竹中聡, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] SSX1に示唆される新規のDNA結合ドメインのその溶液中構造解析2021

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 古寺哲幸, 宮ノ入洋平, 千田美紀, 加藤広介, 堀越直樹, 竹中聡, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      第59回日本生物物理学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 異常リモデリング複合体形成機構解明に向けた主要因子SS18-SSX1の性状解析2021

    • 著者名/発表者名
      高橋花南, 堀越直樹, 古寺哲幸, 竹中聡, 岩崎憲治.
    • 学会等名
      日本生化学会関東支部例会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 創薬研究のための相互作用解析パーフェクト2021

    • 著者名/発表者名
      津本 浩平、前仲 勝実 編(「2 クライオ電子顕微鏡で弱い相互作用の複合体構造を解析するための戦略」執筆担当)
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      9784758122566
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 医学のあゆみ「構造生命科学による創薬への挑戦」 2021年 278巻6号2021

    • 著者名/発表者名
      岩崎憲治編集
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      医歯薬出版
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-08-03   更新日: 2024-01-30  

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