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時計遺伝子の機能不全による「がん幹細胞」発生機序の解明と抗がん剤耐性克服法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21484
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分47:薬学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

小柳 悟  九州大学, 薬学研究院, 教授 (60330932)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード概日時計 / 時計遺伝子 / がん幹細胞 / 薬剤耐性
研究開始時の研究の概要

がん幹細胞は腫瘍の増殖・転移・再発などにおいて中心的な役割を担っており、抗がん剤や放射線照射などに対しても高い抵抗性を示す。そのため、がんを根治するには幹細胞の根絶が重要となるが、その治療法の開発には試行錯誤が続けられている。本研究では「がん幹細胞」の発生メカニズムを生体機能の概日リズムを司る「時計遺伝子」の機能に着目して解析する。がん幹細胞の発生と時計遺伝子の機能低下との間には密接な関連性があることから、低下した時計機能を活性化させることで、難治性がんに対する新たな治療法の開発を目指す。

研究成果の概要

腫瘍は不均一な細胞集団によって形成され、線維芽細胞、上皮細胞、免疫担当細胞などが微少環境を構成している。それら細胞は腫瘍の増殖や抗がん剤耐性などにも寄与しているが、がん細胞のなかには「がん幹細胞」という特殊な細胞集団が存在し、がんの再発や抗がん剤耐性などにおいて中心的な役割を担っている。本研究では時計遺伝子の機能不全マウスから調製した正常細胞が形質転換するとがん幹細胞様の特性と抗がん剤耐性を示すことを見出し、そのメカニズム解析と薬剤耐性の改善法について検討を行った。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の成果により、細胞のがん化における時計遺伝子の新たな機能的役割が明らかになった。すなわち、時計遺伝子の発現や機能が低下した細胞が形質転換すると、抗がん剤に対しても高い抵抗性を示す悪性度の高いがん幹様細胞が生じ易くなることが判明した。また、この機序として時計遺伝子によってヒストンのアセチル化状態の変化やmiRNAの発現変容が関与することが示唆された。時計遺伝子の発現回復は、がん細胞の浸潤・転移能を低下させたと伴に、その制御下にある因子の機能を阻害すると抗がん剤耐性能も改善したことから、概日時計機構を標的とすることは悪性度の高いがん細胞に対する治療戦略のひとつになる可能性が示唆された。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Diurnal expression of PD-1 on tumor-associated macrophages underlies the dosing time-dependent anti-tumor effects of the PD-1/PD-L1 inhibitor BMS-1 in B16/BL6 melanoma-bearing mice.2022

    • 著者名/発表者名
      Tsuruta A, Shiiba Y, Matsunaga N, Fujimoto M, Yoshida Y, Koyanagi S, Ohdo S.
    • 雑誌名

      Mol Cancer Res.

      巻: MCR-21-0786-E 号: 6 ページ: 972-982

    • DOI

      10.1158/1541-7786.mcr-21-0786

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2020-08-03   更新日: 2024-12-25  

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