研究課題/領域番号 |
20K21487
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
黒川 洵子 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40396982)
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研究分担者 |
森本 達也 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50390779)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 性差 / 心臓 / 血管 / 性決定遺伝子 / iPS細胞 / 2卵性双生児 / 性染色体 |
研究開始時の研究の概要 |
男女共通の臓器にも形態機能に男女差があり、一生を通じて、疾患の予防・発症・進展・治療に影響することが分かり、性差を考慮した医療に注目が集まっている。特に循環器領域の病気の発症や薬物副作用には顕著な男女差があることが報告されているが、その分子基盤は不明のままである。そこで、本研究では、遺伝子改変マウスやiPS細胞などの最先端の技術を活用して、心臓の性差形成に関わるメカニズムを解析し、循環器領域の薬物治療に男女差を考慮する科学的根拠を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
心臓の病態生理学的な性差形成に対する性染色体由来の役割を理解するために、胎児期マウス心臓の形態機能学的解析および二卵性双生児男女の血液からiPS細胞の樹立によるヒト細胞試験系構築を行った。胎生後期マウスから摘出した心臓においては、独自の冠血管造影法を開発することにより冠血管径および薬物反応に雌雄差があることを見出した。遺伝子発現の雌雄差解析からはX染色体不活性化機構からescapeする遺伝子が同定されているので、当該研究により見出した形態機能学的性差との関わりが示唆された。さらに、性差に関するメカニズムの理解につなげるため、遺伝子背景が近い同年齢の男女の血液からiPS細胞を樹立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は発生期心臓の性差の一端を明らかにしたことから、心血管病の発症・病態における理解が進んだ点が学術的意義である。また、ヒトiPS細胞を用いて、実験動物で得られた仮説をヒトで検証することを目指している点も特徴である。なお、心血管病は更年期以降に患者数が爆増し、性ホルモンだけではない性差のメカニズムを理解することは、超高齢化社会における人々の疾患予防・健康対策を考える際の情報基盤となると期待できる。
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