研究課題/領域番号 |
20K21490
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 旭川医科大学 (2022) 慶應義塾大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
原 英樹 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30456892)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 感染症 / 炎症 / 薬剤耐性菌 / 感染 / インフラマソーム |
研究開始時の研究の概要 |
抗生物質の多用に伴い薬剤耐性菌の出現が世界的に大きな問題となっており、感染症に対する新たな治療方策の立案が早急な課題となっている。この問題を打開すべくバクテリオファージや抗菌ペプチドなどを用いた新たな感染症治療法が考案されているが、将来的な耐性化が懸念されている。そこで本研究では、耐性化を回避するために菌体を標的としない免疫療法を模索することで新たな感染症療法の立案を目指す。
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研究成果の概要 |
黄色ブドウ球菌など様々な病原菌の薬剤耐性化が医療問題となっており、新規治療法の立案が早急な課題となっている。われわれは自然免疫応答であるインフラマソームがグラム陽性菌の感染病態を重症化させることを見出した。そこで本研究では、インフラマソーム応答を阻害することで感染病態を改善できないか検討を行い、新規阻害シード化合物の設計を行った。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌をインフラマソーム不全マウスに感染させたところ、菌の生体内増殖が減少した。インフラマソームの活性化にはASCの凝集化が必須であることから阻害化合物を作製しマクロファージに導入したところインフラマソーム応答の阻害効果を観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗生物質の頻用により黄色ブドウ球菌や結核菌などの薬剤耐性化が世界的な問題となっており、感染症に対する新規治療法の立案が早急な課題となっている。新規抗菌薬の開発も進められているが新たな耐性菌の出現が懸念されていることから、大きな治療方針の転換が求められている。われわれはグラム陽性菌感染においてインフラマソーム応答が負に働くことに着目し、感染治療に応用する挑戦的研究を立案した。その結果、インフラマソーム応答を阻害することで薬剤耐性黄色ブドウ球菌の感染病態を改善することができた。また、インフラマソームを標的とした新規阻害化合物の設計および合成も順調に進行していることから将来的な実用化が期待される。
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