研究課題/領域番号 |
20K21497
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40217774)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞老化 / p16 / シングルセル解析 / 老化細胞 / 個体老化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者らが樹立したp16陽性老化細胞を可視化マウスを用いて、臓器・組織からtdTomato陽性老化細胞を単離し、シングルセルトランスクリプトーム解析からそれぞれの臓器・組織における老化細胞の起源を決定する。決定された起源の細胞種特異的に個体内で細胞老化を誘導し、いかなる細胞の老化が個体・臓器・組織の加齢性変化や機能不全を引き起こすのかを明らかにする。個体老化の原因が特定の細胞老化によることが明らかとなれば、これを標的とした抗加齢療法や老年病予防法の確立、さらには健康寿命を延長することが可能となると期待できる。
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研究成果の概要 |
p16Ink4a遺伝子座のExon1にCreERT2を挿入し、タモキシフェン存在下でp16陽性細胞をtdTomatoで蛍光染色可能なマウスを作製した。また同時にDTRも挿入し、ジフテリア毒素(DT)依存的に選択的にp16陽性細胞を除去可能なマウスも作製した。これらを用いて、様々な臓器・組織からtdTomato陽性細胞を単離してシングルセルトタンスクリプトーム解析を行なった。その結果、老化細胞はさまざまな細胞種を起源としており、多様な性質を持っていることがわかった。さらに、これらをDTにより除去することで、様々な加齢や生活習慣病に伴う病態が改善した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞老化が様々な加齢性変化や生活習慣病に関わっていることが報告されているが、細胞老化研究は試験管内の解析が主であり、個体内のいつ、どこで、どのような性質を持っているのか全く分かっていなかった。このことから、個体老化や生活習慣病病態がどの様に老化細胞により制御されているのか全く不明であった。本研究により、世界で初めて一細胞レベルで老化細胞を解析可能なマウスが作製され、その解析から老化細胞の起源は多様であり、又それらの性質も起源となる細胞依存的に非常に不均一であることが分かった。これらの成果は、今後老化細胞により個体老化がどの様に制御されるのかを理解する上で非常に重要な知見を与えるものとなった。
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