研究課題/領域番号 |
20K21501
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
榎本 将人 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00596174)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | がん / シグナル伝達 / 概日時計 / 上皮 / ショウジョウバエ / 組織恒常性 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内において組織は常に内的・外的ストレスに曝されているが、組織を構成する個々の細胞は種々の生体ストレスに対して互いにコミュニケーションし合うことで集団として組織の恒常性を維持している。本研究では、がん原性変異などの生体ストレスに対して機能する細胞集団の概日時計を介した組織恒常性維持システムの構築原理の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究において、ショウジョウバエ上皮に誘導したがん原性細胞集団の腫瘍形成を促す変異体スクリーニングを実施し概日時計因子を同定した。概日時計因子によるがん制御メカニズムを解析したところ、概日時計因子の突然変異によりAkt(細胞の増殖・生存に関わるプロテインキナーゼ)の活性化が亢進し、がん原性細胞集団が過剰に増殖し腫瘍を形成することが分かった。これらの結果は、個々の組織がもつ概日時計の異常ががんの初期発生を誘発する原因になる可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はショウジョウバエをモデルとして、概日時計を制御する遺伝子の異常ががんの発生を誘発する可能性を生体レベルで示したものである。このことは、生体内の個々の組織がもつ適切な概日時計リズムががん化の抑制に重要であることを示唆している。将来的に本現象を哺乳類において解析しその普遍性を明らかにすることで、体内時計の調節を基盤とした新たながん制御やがん治療法の確立が期待される。
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