研究課題/領域番号 |
20K21503
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
島田 緑 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (60444981)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | プロリン異性化酵素 / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
ペプチジルプロリルイソメラーゼ(PPIase)は、タンパク質中のプロリンのシス-トランス異性化反応を触媒し、タンパク質の高次構造を変化させる。PPIaseは、細胞増殖、転写など重要な生命現象に関与することが知られているが、詳細な機能、役割はほとんど判明していない。その原因はPPIaseが標的とする基質同定の困難さであると推測される。我々が着目しているPPIaseは、発現を抑制すると顕著に増殖が低下することから、がん細胞の増殖に必須であるが、その理由は不明である。そこで本研究は、PPIaseの基質を網羅的に同定し、プロリンの異性化が司る細胞増殖の機能に関する生命現象を解き明かすことを目的とする。
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研究成果の概要 |
乳がんの治療標的因子として同定したFKBP52の基質を探索するために、FKBP52と結合するタンパク質を同定した。その中で細胞増殖に関与する重要な因子であり、かつユビキチンリガーゼに絞り込んで解析を進めた結果、BRCA1を取得した。詳細な解析により、FKBP52はBRCA1と結合し、エストロゲン受容体(ERα)の安定性を増加させていることが明らかとなった。さらにFKBP52の異性化酵素活性がERαの安定化に寄与していることが明らかとなった。FKBP52と結合する因子の中で基質となる候補因子について、in vitroプロリン異性化酵素アッセイ系を樹立し、基質であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FKBPは細胞増殖や転写などの重要な生命現象に関与しているが、詳細な機能はあまりわかっていない。その理由は、PPIaseが標的とする基質の同定が困難であることが推測さる。さらにFKBPにはコシャペロンとして働く機能と、プロリン異性化酵素としての機能があるが、酵素活性が生命現象に重要であるかについてはあまり知られていない。研究代表者はin vitroの異性化酵素アッセイ系を確立し、これまでほとんど同定されていなかったFKBPの基質を同定することに成功した。基質を同定することができれば、プロリンの異性化が司る細胞増殖の機能に関する生命現象の理解が大きく展開することが期待できる。
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