研究課題/領域番号 |
20K21507
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
村野 健作 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80535295)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | レトロトランスポゾン / 初期胚発生 / LINE-1 / マウス初期胚 / ウイルス様粒子 / 全能性 / トランスポゾン |
研究開始時の研究の概要 |
マウスのレトロトランスポゾンMuERVLは、ゲノムの1000ヶ所以上に存在する。マウス未着床初期胚発生において、MuERVLは2細胞期に急激に活性化した後、徐々に減少し着床前の胚盤胞ではほとんど検出されなくなる。本研究では、MuERVLがコードするタンパク質やRNAがどのように初期胚発生に関わるのかを解明し、トランスポゾンと宿主の共生関係について理解を深める。
|
研究成果の概要 |
初期胚発生過程で高発現するレトロトランスポゾンLINE-1に対し、宿主が採用する防御機構は不明である。2細胞期胚様ES細胞抽出液を用いて免疫沈降法により精製し、質量分析を行ったところLINE-1 ORF1タンパク質の相互作用因子としてTDP-43を同定した。siRNAをマウス受精卵に注入し、TDP-43 の発現抑制実験を行なったところ、TDP-43ノックダウンにおいて有意にLINE-1のコピー数が増加した。以上の結果から、TDP-43は初期胚発生の過程で脱抑制されるLINE-1の転移活性を抑制し、ゲノム恒常性の維持に寄与していていることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LINE-1はマウスゲノムの約20%を占め、ゲノム上に自分自身のコピーを増やしていく性質を持つレトロトランスポゾンである。初期胚発生過程においてLINE-1は高発現するが、その生物的な意義や、宿主への影響についての研究はまだ少ない。本研究の成果により、TDP-43は初期胚発生の過程で脱抑制されるLINE-1の転移活性を抑制し、ゲノム恒常性の維持に寄与していていることが示された。本研究によりトランスポゾンと宿主の共生関係の一端が明らかとなった。
|