研究課題/領域番号 |
20K21509
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
古瀬 幹夫 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 教授 (90281089)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | クモ膜 / タイトジャンクション / クモ膜バリア / 密着結合 / 3細胞結合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、クモ膜バリアの脳実質の液性環境の恒常性維持における潜在的重要性に着目し、その生理的意義の解明に向けた萌芽的研究を行う。まず、クモ膜バリアの3次元的全体像の記述を初めて試みる。併行して、細胞間隙の透過性を規定する細胞間結合の観点から、網羅的探索により構成分子を同定する。そして、その遺伝子欠失マウスの作出・交配によりクモ膜バリア破綻マウスを樹立し、将来の生理的意義の解明に引き継ぐ。クモ膜バリアが破綻したモデルマウスの作出に成功すれば、血液-脳関門に偏っていた脳内環境の恒常性維持機構に関する従来の考え方に新しいアイデアを付加し、転換をもたらすことが期待できる。
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研究成果の概要 |
クモ膜は脳の周囲をとりまくバリアとして、脳内の液性環境の恒常性維持に寄与していると考えられながら、その構造や分子基盤の全貌はまだ明らかにされておらず、生理的意義を実験的に示した例もほとんどない。本研究では、このクモ膜バリア細胞に発現する、細胞間結合タイトジャンクションに関連するタンパク質群を明らかにするとともに、それら分子を人為的に欠失させたマウスを作出した。今後、これらマウスを詳細に解析することにより、クモ膜バリアの生理的意義が明らかにできると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クモ膜は脳内の液性環境の維持に重要なバリア構造であると古くから認識されながら、その生理的意義や病態との関わりについての研究は大きく遅れている。本研究で作成した遺伝子改変マウスは、クモ膜バリアの生理的意義を解明するための今後の研究に役立つとともに、未だ知見や治療法が定まっていない脳脊髄液減少症のようなクモ膜の機能低下に関連すると思われる疾患の理解にもつながることが期待できる。
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