研究課題/領域番号 |
20K21512
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
外丸 詩野 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (20360901)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 加齢 / 自己ペプチド / 慢性炎症 / 老化モデル / 老化 / ストレス / 免疫応答 / 免疫老化 / 自己抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢により免疫老化という現象が生じるが、免疫老化の進んだ個体では感染症に対する正常な免疫応答が低下する一方、慢性炎症や自己免疫応答が亢進する。T細胞は加齢によりサブセットが変化し、最も大きな変化の1つが、メモリーT細胞の増加である。近年の研究により、増加するメモリー細胞には既感染によるメモリー細胞に加え、PD-1等の抑制分子を発現する疲弊化細胞、老化細胞等、機能的に異なるサブセットが混在し、これらの過剰な集積、アンバランスが免疫老化に関与している可能性が推定されている。本研究では、慢性炎症に関連するT細胞の異常や慢性炎症惹起のメカニズムの解明、炎症制御標的候補分子の探索を推進する。
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研究成果の概要 |
加齢により機能異常を示すT細胞が集積し、慢性炎症が誘導されることが生活習慣病や癌など、様々な疾病に共通する基盤病態として注目されている。本研究では、内的・外的要因により変容し得る自己ペプチドの変化に着目し、老化形質を示す酸化ストレス脆弱化マウスを用い、細胞ストレスよる自己抗原の変容がCD44highCD122highCD49dhigh細胞の増加、慢性炎症を惹起することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会を迎えた我が国にとって、健康寿命の延長につながる萌芽的研究の推進は重要な課題である。T細胞の加齢による変化や免疫老化については、既報研究の研究手法は若齢および老齢マウスの比較検討、リンパ球分化に関わる転写因子の遺伝子改変動物、癌免疫領域の研究が主体であった。本研究により、新規性のある老化形質を示す酸化ストレス脆弱化マウスを用いた研究を推進することで細胞ストレスよる自己抗原の変容が慢性炎症を惹起することが明らかとなった。加齢による慢性炎症のメカニズム解明に向けて新たな知見が得られた。
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