研究課題/領域番号 |
20K21513
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | キメラマウス / ヒト化マウス / 経胎盤 / 遺伝子改変マウス / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、ヒトを含めた異種の細胞を有するマウス(異種間キメラ)を作製する場合は、免疫不全マウスを用いて異種の細胞を移植することにより、異種細胞を有するキメラマウスを作製しているが、免疫不全マウスを使用する必要があること、高キメリズム個体が得られないことが問題となっている。本研究では、経胎盤細胞移植法と組織幹細胞を欠損する遺伝子改変マウスを用いることにより、ヒトを含めた異種間キメラマウス作製法を開発することを目的とする。異種間キメラマウスは、生物学や農学的に注目されるだけでなく、ヒト由来物質のマウス体内での産生やヒト疾患病態解明などにも利用でき、産業的、臨床医学的にも非常に貢献度が高い研究である。
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研究成果の概要 |
造血欠損マウスとしてTie-2-Cre;Runx1cKOを用いて、造血系をラットで置換したマウスの作製を行い、ラットの造血系のみを有するマウスを長期生存させることに成功した。本成果から、本方法により異種動物の造血系をのみを有するマウスを作製できることを実証できたと考えられる。また、ヒトの造血幹細胞を用いて野生型マウスに移植した場合でも、成体においてもヒト造血細胞が維持されていることを明らかにした。 また、膵臓を欠損するPdx1欠損マウスを用いてヒト膵臓の作製を試みた結果、Pdx1欠損マウスが生後8日目まで生存できること、そのマウスでは、ヒトインスリンのmRNAが検出できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物を用いたヒト臓器の開発は、胚盤胞補完法を用いて研究が進んでいるが、倫理的な問題があること、ヒト幹細胞を用いた場合は、ヒト幹細胞が急速に排除されるなどの問題点が挙げられている。我々が開発した経胎盤細胞移植法はこれらの問題点を克服できる方法として学術的に重要であるとともに、動物を用いたヒト臓器の新たな作製方法として社会的意義が大きいと考えられる。
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