研究課題/領域番号 |
20K21519
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
水谷 哲也 東京農工大学, 農学部, 教授 (70281681)
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研究分担者 |
大場 真己 東京農工大学, 農学部, 特任准教授 (30816559)
本道 栄一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30271745)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 植物ウイルス / トウガラシ微斑ウイルス / 培養細胞 / 鶏 / 哺乳類細胞 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
「植物ウイルスはヒトを含む動物には感染しない」これは常識と考えても良かった。しかし、少しずつではあるがヒトや動物において増殖している可能性を示唆するデータが出てきている。このことから、生野菜を食べて植物ウイルスが大量に体内に取り込まれた場合にはある種の病気を起こすのではないか、という発想も成り立つ。これまでは常識にとらわれて、植物ウイルスとヒトや動物との関係が真剣に研究されてこなかった。それゆえ、本研究において植物ウイルスがヒトや動物に感染する可能性を科学的に検証する。
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研究成果の概要 |
一般に植物に感染するウイルスはヒトや動物には感染しないと考えられている。しかし、1960年代にはタバコモザイクウイルスが喫煙者に肺癌を誘発する可能性についての論文が発表されており、学術的な決着はついていない。そこで、本研究ではトウガラシ微斑ウイルスを用いて哺乳類の培養細胞や鳥類に感染するかについて検討を行った。その結果、培養細胞にトウガラシ微斑ウイルスを添加しても、電気的な処理をして強制的に細胞に導入しても、ウイルスは培養細胞中で増殖することはなかった。トウガラシ微斑ウイルスは鶏雛の腸管内を分解されることなく通過して糞便中に排出され、わずかながらIgAの産生を誘導していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では植物ウイルス(トウガラシ微斑ウイルス)が哺乳類や鳥類に感染するという結果は得られなかった。ヒトや動物においては原因不明の疾患が数多く存在している。これらの原因が植物のウイルスである可能性は極めて低いものの否定もされていない。本研究は原因不明の疾患の原因を探るための基礎研究という一面をもっている。今後、さらに詳細な実験を行って解明を進める必要があると考えられる。
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