研究課題/領域番号 |
20K21520
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田川 陽一 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70262079)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | JCウイルス / iPS細胞 / オリゴデンドロサイト / アストロサイト / 原型 / PML / トロピズム / PML型 / 神経組織 / マイクロ流体デバイス / グリア細胞 / 感染 / 宿主特異性 / 流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
腎上皮細胞チップと神経組織チップを連結したマイクロ流体デバイスを開発し、原型JCV粒子を腎上皮細胞に感染させたのちに循環させる。腎上皮細胞で原型JCVの増殖中にPML型JCVが出現し、循環しているうちに神経組織チップにトラップされ増殖可能となるトロピズム変化の再現モデルを確立する。ヒトにとって脅威となるウイルスのトロピズム変化のメカニズム解明に挑むものである。
|
研究成果の概要 |
進行性多巣性白質脳症(PML)は、原型JCウイルスがPML型へ変異し、アストロサイトやオリゴデンドロサイトに感染・増殖することにより発症すると言われている。これまで、SV40T抗原が発現している細胞株のみにJCウイルスの感染・増殖が可能であったが、本研究では、ヒトiPS細胞からアストロサイトおよびオリゴデンドロサイトを各々分化誘導し、PML型JCウイルスの感染・増殖に成功した。PML型JCウイルスは、アストロサイトよりもオリゴデンドロサイト内での増殖が非常に高いことが分かった。さらに、原型からPML型ウイルス変異をトラップできるウイルス感染のための流体デバイスの開発にも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AIDSによる免疫不全や移植医療による免疫抑制剤投与の増加に伴い、JCウイルスの体内での増殖によるPML発症総数も上昇していることが問題となっており、抗JCウイルス薬の開発は喫緊の課題となっている。細胞培養系でのJCウイルス感染の細胞培養ではSV40 T抗原が必要であり、抗JCウイルス薬の候補薬剤はSV40のT抗原を阻害している可能性が強く疑われる。我々が開発したSV40 T抗原非依存である、ヒトiPS細胞からのアストロサイトやオリゴデンドロサイトにJCウイルスが効率よく感染・増殖することは抗JCウイルス薬のスクリーニングや発症抑制機序の解明に大いに有用である。
|