研究課題/領域番号 |
20K21526
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榎本 秀樹 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00360511)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 先天性疾患 / 組織欠損 / 内在性幹細胞 / 遺伝子変異 / ヒルシュスプルング病 / 幹細胞 / 自己組織化 / シュワン細胞 / RET / Sox10 / 組織再生 / 自己組織能 / 神経幹細胞 / 腸管神経系 |
研究開始時の研究の概要 |
病的な幹細胞は原因遺伝子の修復により自律的組織形成能を再獲得できるかという命題解明のため、先天性の腸管神経幹細胞の異常により広範に神経欠損を起こす難治性ヒルシュスプルング病(HSCR)のマウスモデルを遺伝子異常が修復可能な形で作製し、一部の神経幹細胞の正常化を行い、修復神経幹細胞により腸管神経系が正常に形成されるかを解明する。この研究遂行により、内在性の幹細胞を治療して組織再生を誘導する新しい治療法創出のための基盤情報を得る。
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研究成果の概要 |
本研究は、先天性疾患における組織欠損を内在性幹細胞を用いて修復可能かを検証する実験を行なった。疾患モデルとして、神経幹細胞の異常により腸の神経欠損が起こるヒルシュスプルング病(HSCR)に焦点を当てた。HSCRを誘導する優勢阻害型遺伝子変異を条件的に除去できる形で遺伝子改変したマウスを作製した。このマウスにおいて発生の各段階で神経幹細胞における遺伝子変異を除去したところ、変異を除かれた幹細胞による神経再生が観察された。この結果は、疾患誘導変異を修復すれば内在性幹細胞が組織修復・再生を行えることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性HSCRの克服を目指し、ES細胞やiPS細胞由来から誘導された腸管神経前駆細胞を腸管に移植する細胞補充療法の開発が始まっている。しかし、難治性HSCRでは、細胞を移植すべき腸管が極めて長いことに加え、移植した細胞が生後の腸に生着しにくいという大きな問題を抱えている。本研究では、内在性の腸管神経幹細胞を治療すれば組織再生が誘導されることが明らかとなり、HSCRの新規治療法として内在性幹細胞の応用が有用な戦略になり得ることが示された。また、この結果は、他の先天性疾患でも同様のことが起こり得る可能性を示唆しており、先天性疾患の治療法に新たな可能性を提示する。
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