研究課題/領域番号 |
20K21537
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 元子 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00345018)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 中枢性免疫寛容 / 抗腫瘍免疫 / 胸腺 / がん抗原 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、抗腫瘍免疫応答の問題点である「がんへの免疫寛容の成立」に焦点を当てた芽生え期の研究である。これまであまり研究が進んでいない「がん抗原に対する中枢性免疫寛容」が、がんへの免疫応答へ及ぼす影響を解析することを目的としている。末梢の樹状細胞のなかには、胸腺に移動して末梢抗原を胸腺で提示するものが存在することが報告された。この点に着目し、本研究では、胸腺へと運ばれたがん抗原に対する中枢性免疫寛容の成立が、がんへの免疫応答へ及ぼす影響を解析する。この研究の成果は、将来的には、より効果が高く持続性のあるがん免疫療法の開発に繋がると考えられる。
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研究成果の概要 |
がんに対する免疫応答を考える際には、腫瘍局所だけではなく、全身における免疫応答を考慮する必要がある。本研究は、抗腫瘍免疫応答の問題点である「がんへの免疫寛容の成立」に焦点を当て、がん抗原に対する中枢性免疫寛容の成立が、がんへの免疫応答へ及ぼす影響を解析することを目的とした。複数の実験系にて、がん抗原が胸腺内にて特定の樹状細胞によって提示されていることを示唆するデータを得た。またこの特別な樹状細胞の機能や、がん特異的な胸腺細胞の分化、運命決定にどのような影響があるかの解析が進行中である。これらの成果に関する論文は現在執筆中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今の腫瘍に対する免疫療法の開発は目覚ましい。特に、免疫チェックポイント阻害剤の驚異的な効果から、患者自身の免疫システムを活性化することにより腫瘍を攻撃する「免疫療法」は、今後、さらに大きく発展する可能性を秘めている。本研究成果は、抗腫瘍免疫応答の問題点である「がんへの免疫寛容の成立」機構のうち、これまであまり研究が進んでいない「がん抗原に対する中枢性免疫寛容」が、がんへの免疫応答へ及ぼす影響について解析した。とくに胸腺機能が活発な小児のがんに対する治療戦略を考える上で、重要な知見が得られた。
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