研究課題/領域番号 |
20K21545
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 眞理 京都大学, 医学研究科, 客員准教授 (90761099)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 上皮間葉転換 / 染色体融合 / がん / 有糸分裂 / 上皮細胞 / 間葉細胞 / テロメア融合 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の体は非常に多種の細胞から構築されているが、80%以上のがん細胞は上皮細胞由来である。なぜ上皮細胞が他の細胞種と比較してがん化しやすいのか、そのメカニズムは未だに明らかでない。我々は、細胞のがん化に寄与する染色体の融合を可視化することのできる特殊な人工DNAを構築してきた。このDNAをヒト由来の上皮細胞に挿入し、さらに、上皮間葉転換という現象によって間葉細胞を作り出す。これによって、上皮細胞・間葉細胞が染色体融合に対してどのように応答するかを比較し、各細胞のがん化頻度の違いについて考察する。
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研究成果の概要 |
本研究計画では,なぜヒト上皮細胞が他の細胞種と比較してがん化しやすいのかという「問い」に、独自に開発した「染色体融合可視化システム」で挑戦した。その結果,単一の姉妹染色分体融合が引き起こす細胞運命が,同じ遺伝的背景を持つ上皮細胞と間葉細胞間で異なり,間葉細胞では細胞死が多く引き起こされることが分かった.このことが,上皮細胞ががん化しやすいことの分子メカニズムの一端である可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,細胞のがん化過程の理解,特にがん細胞の由来となる細胞種に,生物種によって偏りがあるメカニズムの理解を目指した基礎研究である.細胞のがん化には,遺伝情報を司る染色体の融合が関与するため,染色体融合に対する応答が,各種の細胞間で異なっているのではないかとの仮説を立て,この検証を目指した.本研究成果を端緒として,細胞がん化の理解が進むことにより,がんの予防や早期発見,新たな治療法の確立などに繋がる可能性がある.
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