研究課題
挑戦的研究(萌芽)
がんの発症における新たな変異獲得によるクローン選択の過程は、ランダムな過程ではなく、発症以前に生じた変異や環境に依存すると考えられているが、その分子論的基盤は十分に理解されていない。本研究では、代表的ながんである白血病において有意に共存しやすい組み合わせの遺伝子変異に焦点をあてて、同一の遺伝子変異の組み合わせを有するものの、変異の獲得順序の違うマウスモデルを構築する。クローン進化が観察された後に、単一細胞シーケンス技術を用いて、変異の獲得順序やクローン間相互作用がクローン進化メカニズムの過程に及ぼす影響について多角的に理解することを目指す。
がんの発症における新たな変異獲得によるクローン選択の過程は、ランダムな過程ではなく、発症以前に生じた変異や環境に依存すると考えられているが、その分子論的基盤は十分に理解されていない。本研究では、代表的ながんである白血病において有意に共存しやすい組み合わせの遺伝子変異に焦点をあてて、同一の遺伝子変異の組み合わせを有するものの、変異の獲得順序の違うマウスモデルを構築し、最新のゲノム解析技術を用いて、変異の獲得順序や細胞間相互作用がクローン進化メカニズムの過程に及ぼす影響について分子レベルでの解明を行った。
急性骨髄性白血病は、加齢に伴い造血幹細胞に遺伝子変異が蓄積して発症する腫瘍性疾患であり、高齢化に伴い患者数が増加している。造血幹細胞が複数の変異を獲得し、クローン選択によって高度な多様性をもった細胞集団が形成される分子メカニズムについては、発症の本質に関わる問題であるにもかかわらず、なお多くが不明である。本研究成果は、同一の遺伝子変異の組み合わせを有するものの、変異の獲得順序の違うマウスモデルを用いて、がんの発症におけるクローン選択の過程の分子病態を明らかにしたもので、将来的には、難治性がんの治療成績向上に資する可能性がある意義深い研究成果と考えている。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
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