研究課題/領域番号 |
20K21548
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西澤 正俊 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 共同研究講座准教授 (80789793)
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研究分担者 |
一戸 辰夫 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (80314219)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | がん免疫細胞療法 / TCR-T療法 / Platinum TALEN / 遺伝子改変T細胞 / がん免疫療法 / がん特異的T細胞レセプター導入T細胞 / リプログラミング / シングルセル解析 / ゲノム網羅的遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①革新的シングルセルマルチオミックス解析「T細胞レセプター配列/エピゲノム/トランスクリプトーム同時解析」の技術を確立し、T細胞疲弊化の分子機序、特に関与するコア転写因子ネットワークの解明に挑む。さらに得られたデータを基に②リプログラミング技術即ち「複数の転写因子導入」により、疲弊T細胞から「高抗腫瘍活性の」「若返った」がん細胞治療用T細胞の作成する技術の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
2020年度はまずT細胞のセルラインならびに、プライマリーT細胞を用いて、電気穿孔法を用いて遺伝子導入、また任意の部位を人工ヌクレアーゼであるTALENを用いて切断する実験系を構築した。複数遺伝子の改変・導入にむけ、複数の遺伝子を1回の遺伝子導入にて改変する技術、またシークエンシャルに2回にわけて遺伝子導入を行う方法を確立した。これらの技術の確立よりプライマリーT細胞の複数遺伝子を改変することが可能となり、非常に大きな技術面での進歩であった。2021年度は、その技術の臨床応用に向け、① 実際に治療用細胞をラージスケールにて作成する技術の確立、並びに②理論的に生じうるTALENによる遺伝子変異が生じないことを確認する実験系の確立、を目指した。 前者①に関しては、試薬や遺伝子導入法(電気穿孔法)の条件検討を行い、プライマリーT細胞から実際の患者の治療に必要な細胞数の治療用T細胞製剤を作成する技術を確立できた。 後者②であるが、実際の患者に投与するには、投与した治療用の細胞製剤が安全であることが必須であり、患者に投与する前に前臨床検査としての遺伝子変異検査が必要となる。遺伝子変異には、大きく塩基置換やInsertion-Deletionなどの配列変異と染色体構造変異(染色体転座や逆位など)があり、それぞれ別の検出系が必要となるため、それぞれの遺伝子変異検出系の確立を目指した。 遺伝子配列変異に関しては、次世代シーケンサを用いてシングルセルレベルで検出する実験系を確立した。また染色体の構造変異に関しては、デジタルPCRを用いて10^-4オーダにて検出する実験系を確立することが可能となった。これらにより、我々の確立したがん治療用T細胞製剤の臨床応用に必要な細胞製剤の作成技術並びに安全管理上の必須な技術を確立し、実臨床への導入に大きく近づく成果が得られた。
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