研究課題/領域番号 |
20K21560
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 哲生 京都大学, 工学研究科, 教授 (40175336)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 光ポンピング / 原子磁気センサ / MRI / 神経磁場 / MEG / ニューロイメージング / fMRI / 光ポンピング原子磁気センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アルカリ金属原子のスピン偏極を用いて磁場を計測する光ポンピング原子磁気センサ(OPM)について、光学系を一体化したコンパクトかつ超高感度なモジュールを開発することによってフレキシブルな脳磁図(MEG)計測を簡易磁気シールド環境化で実現し,さらに神経磁場を直接捉える新原理のfMRIに挑戦する。これによりブレインサイエンス分野のみならず微弱な磁場計測が必要な様々な分野に多大なインパクトとパラダイムシフトをもたらすことが期待できる。センサ開発自体は勿論、それを用いた新原理の次世代ニューロイメージング手法の開発は大変大きなチャレンジ性と意義を有している。
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研究成果の概要 |
本研究では、超高感度かつ長寿命の小型光ポンピング原子磁気センサ(OPM)モジュールを開発に成功し、開眼閉眼に伴うα波帯の事象関連脱同期と視覚誘発脳磁界の多チャネル計測を達成した。さらに、OPMをMR信号計測用受信センサとして用いることにより感度向上させる超低磁場 MRIのプロトタイプを試作しMR画像の取得に成功した。加えて、0.3T低磁場MRI装置を用い、頭部を模したファントムを用いた新原理 fMRIの実験的・理論的検証を行い、新原理 fMRI の実現可能性を示し、MEGとの同時計測を可能とする次世代のニューロイメージングへの実現に道筋をつけ研究を完結した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって開発した超高感度の光学的磁気センサを MR信号検出に用いることで脳磁図と機能的MRI情報の同時計測が可能な融合一体化したシステムは、通常の形態画像の取得も可能であることから、従来の別装置間の位置合わせの誤差を低減できるメリットも大きい。本研究が目指したこの次世代のニューロイメージングシステムでは、さらにボクセルベースで磁場の位相情報に基づくfunctional connectivityの直接計測も可能であり、その潜在的な高時空間分解能によって、高次脳機能のメカニズムの解明や精神・神経疾患の診断支援といった臨床応用により健康社会の実現に大きる貢献することがで期待できる。
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