研究課題/領域番号 |
20K21564
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷内 一彦 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50192787)
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研究分担者 |
原田 龍一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60735455)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | タンパク質プローブ / Fluorine-18 / 神経疾患 / BBB透過性ペプチド / PET / fluorine-18 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオテクノロジーの発展に伴い特異性の高いタンパク質PETリガンドが期待されている。脳内PETイメージングに向けたBPP融合Affibodyは新規性の高い中分子薬剤として、PETに限らず新しい治療薬としても期待されている。抗体同様に高い結合親和性と標的特異性を持ち、分子量が小さく血中半減期が短いAffibody(主に分子量10 kDa以下)とBBB透過性ペプチド (BBB permeating peptide, BPP)に着目し、脳移行性の高いフッ素18標識タンパク質を無細胞タンパク質合成系とF-18非天然アミノ酸を用いて合成し、新しい脳内PETイメージング法を開発して神経疾患に応用する。
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研究成果の概要 |
神経変性疾患の脳内に蓄積する異常タンパク質がPETにより可視化できるようになった。その分子プローブには低分子化合物を用いて開発されてきたが、異常タンパク質の中には低分子化合物では認識できない分子構造を持つものも存在し、それが技術的な限界となっている。タンパク質リガンドはユニークな結合機構から様々な分子を標的とすることができるが、脳移行性が低いという課題がある。そこで本研究では脳・血液脳関門(BBB)透過性ペプチドを融合させた18F標識タンパク質をデザインし、その有効性を検討することを目的とした。その結果、BBB透過性ペプチド融合18F標識タンパク質の合成に成功し、脳移行性の増加が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではBBB透過ペプチドを融合することで脳移行性が増加することが示せたが、実際にモデル動物において脳内に存在する標的分子の画像化は示せていないところが今後の課題である。優れた薬物動態(脳移行性とクリアランス)を示す18F標識タンパク質リガンドが開発することができれば、これまで低分子化合物で標的にすることができなかった様々な標的を画像化することができると期待できる。すなわち、分子プローブによる画像化できる標的の制限から開放されることになり、より多くの標的分子の画像化による病態生理の理解、治療薬評価のサロゲートマーカーとしての応用が期待される。
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