研究課題/領域番号 |
20K21567
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 英彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60415429)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 統合失調症 / 自然言語処理技術 / グラフ理論 / 脳画像 / 自然言語処理 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症患者の脳内における単語の表象ネットワークの乱れを脳内における単語の表象ネットワークにグラフ理論による解析を適応し、定量的に解析することを目的とする。対象は統合失調症患者で、臨床・心理データに加え、脳MRIを取得する。被験者に自然動画刺激を提示し、全脳活動をfMRIによって記録する。動画に含まる単語のラベル時系列と脳活動から、重み係数を求める。この過程で、単語をベクトルに変換する自然言語処理技術Word2Vecを用いる。脳内単語ベクトルの任意の2語の組み合わせの類似度を表した行列を得るこの行列から、隣接行列を作成し、グラフ理論による脳内の単語表象のネットワーク解析を行う。
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研究成果の概要 |
統合失調症患者と健常者を対象として、自然動画提示下fMRIを撮像した。動画情報と脳活動データに自然言語処理アルゴリズムWord2vecとエンコーディング・モデリングを適用し、脳におけるさまざまな意味表象を脳活動パターンとして定量化した。続いて、意味表象間の類似度に基づき構築した脳内意味ネットワークの構造特性を評価した。健常者の脳内意味ネットワークは自然言語と同様に高いスモールワールドネスを示したことから、スモールワールドは意味知識に関するネットワークの普遍的性質であることが示唆された。一方、統合失調症の脳内意味ネットワークではスモールワールドネスは減少し、妄想の重症度と負相関していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究により統合失調症の連合弛緩は、脳内において意味ネットワークのランダム化として表れていることが明らかになった。また、本研究の手法は精神疾患患者の主観的体験を患者の発話に依ることなく脳活動から直接評価できる点で、診断、治療の新たな可能性をひらくものと期待される。
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