研究課題/領域番号 |
20K21568
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
五十嵐 博中 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20231128)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | グリンファティック・システム / 脳浮腫 / 水頭症 / MRI / アクアポリン4 / 治療 / 創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
脳のアストロサイトに豊富に存在し、脳内の水動態のコントロールに大きな影響を及ぼすと考えられる水チャンネル・アクアポリン4(AQP4)が特発性正常圧水頭症(iNPH)病態に及ぼす影響を解明し、新規無侵襲診断法および我々が独自に開発したAQP4制御剤による全く新規な正常圧水頭症の治療法の確立を目指すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
水頭症モデルマウスにTGN-07を投与することにより、神経徴候グレードおよびMRIにて測定した脳浮腫体積は有意に低下した。さらに、NODDI MRIによる軸索/樹状突起密度画像(Ficvf)ではTGN-073により皮質・白質の神経脱落が抑制されており、Free Water Imaging (Ffw) による自由水フラクションでは白質にて浮腫の抑制が確認された。またSPMにて計算された画像統計による白質体積の拡大の評価では白質の脳浮腫による体積増加はTGN-073投与にて抑制された。 以上の結果より、TGN-073はカオリン水頭症の脳浮腫を改善することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は世界初の水チャンネル蛋白・アクアポリン4(AQP4)促進剤TGN-073の開発に成功し、この薬剤が脳の水動態(グリンファティック・システム)を促進させ脳実、質内の脳間質液の脳実質排泄障害により脳組織に水が貯留している病態である水頭症による脳浮腫・脳機能を改善することを確認した。使用したTGN-073は世界初のAQP4促進薬であり、この化合物をシーズとして種々のAQP4制御薬の開発が可能になると考えられる。またAQP4促進による脳浮腫水の排出亢進という創薬コンセプトも全く新しいコンセプトであり、水頭症以外にもアルツハイマー病をはじめとした脳異常蛋白蓄積疾患などに応用が広がる可能性がある。
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