研究課題/領域番号 |
20K21591
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
乃村 俊史 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50399911)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 遺伝性皮膚疾患 / 復帰変異モザイク / revertant mosaicism / BIR / 魚鱗癬 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性魚鱗癬の一部では、患者皮膚の一部から後天的に病因遺伝子変異が消失し、正常化することが知られている。この現象をrevertant mosaicismと呼ぶ。この仕組みが解明されると、遺伝性疾患の新しい治療法の開発につながる可能性がある。これまでの研究により、病因遺伝子変異が相同組換えで消失していることを突き止めているので、この研究では、病因タンパク質が相同組換えを誘導するメカニズムを解析する。
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研究成果の概要 |
毛孔性紅色粃糠疹5型は稀な常染色体優性遺伝性皮膚疾患で、CARD14のヘテロ接合性のミスセンス変異により発症する。本研究では、体細胞レベルでの相同組換えにより後天的に表皮角化細胞から遺伝子変異が消失していくメカニズムを解析し、その一端を解明した。具体的には、変異CARD14により複製ストレス応答に変化が生じ、普段は抑制されているbreak-induced replicationという仕組みが作動することで遺伝子変異が消失していくことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究により、毛孔性紅色粃糠疹5型でなぜ病因遺伝子変異が表皮角化細胞から消失するか解明できたことにより、患者の細胞には自然に遺伝子変異を修復する能力が備わっていることが明らかになりました。このような仕組みをうまくいかせば、現在は対症療法しかなく根治的な治療法がない毛孔性紅色粃糠疹5型はもちろん、他の遺伝性疾患の新規治療法の開発につながることが期待できます。また、遺伝子変異が消失する仕組みとしてbreak-induced replicationが起こっていましたが、人におけるこの現象は未解明な点が多いことから、この分野への貢献も期待できます。
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