研究課題/領域番号 |
20K21596
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 敏郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (10114125)
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研究分担者 |
鮎澤 信宏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (50459517)
丸茂 丈史 国際医療福祉大学, 基礎医学研究センター, 教授 (70265817)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 高血圧 / 糖尿病性腎症 / 集合管 / 近位尿細管 / 尿中マーカー |
研究開始時の研究の概要 |
高血圧と糖尿病性腎症は暴露された環境因子の影響が体に記憶され発症する。環境因子が臓器に蓄積する分子機構にエピジェネティクスが深く関与する。本研究では腎臓細胞のDNAメチル化解析により、エピジェネティックな側面から生活習慣病が発症する分子機構を明らかにし、新たな診断・治療シーズを提示する。腎臓集合管の構成細胞は血圧調節に深く関わるが、本研究ではこれら細胞のエピゲノム記憶が慢性腎臓病や高血圧に関与する機序を解明する。また、糖尿病性腎症生検組織を用いた検討により、糖尿病におけるDNAメチル化異常が腎障害進行に関わる機序を解明する。
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研究成果の概要 |
腎臓近位尿細管のマーカーとなるDNAメチル化を同定した。尿沈渣中の近位尿細管マーカーのDNAメチル値は、落下近位尿細管を反映すると考えられ、腎機能が悪化している糖尿病患者の層別化に有用であることが示された。また、糖尿病性腎症患者の腎臓組織に生じるDNAメチル化異常を明らかにした。糖尿病による腎臓DNAメチル化異常は、メモリーされて後年の腎障害進展に関与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAメチル化解析が腎疾患の診断に有用であることを本研究ははじめて明らかにした。研究結果は今後のエピジェネティック尿検査に先鞭をつける内容である。また、純化した細胞を腎臓のDNAメチル化解析に用いた結果、糖尿病性腎症で生じている腎臓細胞のフェノタイプ変化の元となるエピジェネティック異常を同定することができた。分子機構の一端が明らかにされ、今後の治療法開発の基盤となる。
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