研究課題/領域番号 |
20K21603
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山下 智也 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90437468)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 腸内細菌外膜小胞 / 菌体毒素 / 腸内細菌 / 外膜小胞 / リポ多糖 / microRNA / 炎症 / バクテロイデス |
研究開始時の研究の概要 |
臓器連関(臓器間・細胞間情報伝達)の機序の一つに、細胞の分泌するエキソソームの重要性が報告され、がん診療領域を中心に研究が進歩しているが、まだ研究方法を含め発展途上と言える。 本研究は、最近注目される腸内細菌の分泌するエキソソーム様物質である外膜小胞OMVsに着目し、基本的な産生機構の解明・内包物質の同定・臓器移行の証明・生体作用と病態への影響の評価を実施し、OMVsの実験方法を確立すると同時に、その意義と治療応用を検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、腸内細菌の外膜小胞(Outer membrane vesicles; OMVs)を介する生体作用を解明して、疾患治療への応用の可能性を検証することである。OMVsは、細菌が分泌する20~250nm程度の大きさの脂質二重膜構造を持つ球状の小胞で、リポ多糖LPSを含む種々の菌体成分や各細菌のタンパクや核酸が含まれる。 腸内細菌から産生されるOMVsの単離に成功した。OMVsにはLPSが含まれており、菌固有のLPS活性の差を反映する結果が得られ、菌に特徴のあるOMVsが産生されることが確認できた。腸管から生体内・血中への移行を調査したが、移行する可能性は低いという結果となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌が、どのような機序で宿主の生体機能に影響を及ぼしているのかということが注目されて研究が進められている。その中で、本研究課題では、腸内細菌の産生する外膜小胞OMVsの役割を検証した。我々の研究の成果として、少なくともOMVsが、腸管内から血液中に移行して、生体内で作用している可能性は低いことが示され、この機序での作用は無いことが示され、学術的には意義のある成果である。しかし、OMVsの腸上皮細胞への直接作用や、菌同志の作用を介して、宿主の生体作用に影響していることまでは検証できていない。
|