研究課題/領域番号 |
20K21604
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 佳宏 九州大学, 医学研究院, 教授 (70291424)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 副腎皮質腫瘍 / 機能性 / 非機能性 / ステロイドミクス解析 / ゲノム解析 / 機械学習 / ステロイド / アルドステロン / コルチゾール / トランスクリプトーム解析 / ホルモン / 網羅的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
副腎皮質腫瘍の多くは良性腫瘍であり、腫瘍の機能性はミネラルコルチコイド代謝産物であるアルドステロンあるいはグルココルチコイド代謝産物であるコルチゾールの過剰産生の過剰産生が認められる場合に「機能性」と判定され、いずれも過剰産生しない場合は「非機能性」と判定される。本研究では臨床検体の網羅的解析および機械学習による情報統合により、「内分泌腫瘍の機能性・非機能性とは何か?」という内分泌学の根本的な問いにチャレンジする。
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研究成果の概要 |
本研究では、アルドステロン産生腫瘍(APA)、コルチゾール産生腫瘍(CPA)あるいは非機能性副腎皮質腫瘍と診断された症例を対象としてオミクス解析を実施した。組織中のステロイドミクス解析により、APAではCPAと比較すると低値ではあるが対照群と比較して有意なコルチゾールの上昇が認められた。ゲノム解析により、CPAではコルチゾール生合成の重要な経路であるPKAの活性化に関連する遺伝子群の体細胞変異が検出されたが、APAでは検出されず、異なる機序によるコルチゾール生合成機構が示唆された。機械学習を用いたクラスタリング解析により、副腎皮質腫瘍はステロイドミクスに基づいて複数のクラスターに分類された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から、従来の判定基準による非機能性副腎皮質腫瘍が「脱・非機能性(=機能性化)」され、機械学習による臨床検体の網羅的解析と臨床情報の統合により、新たな副腎腫瘍学の創成されると思われる。機能性あるいは非機能性副腎皮質腫瘍のホルモン産生能と腫瘍内の細胞レベルの不均一性に関する解析により、「内分泌腫瘍の機能性・非機能性とは何か?」という根本的な問題を見直すことができ、内分泌腫瘍の機能性腫瘍の再分類・再定義につながることが期待される。本研究の波及効果として、ホルモン産生能の有無が問われる他の内分泌腫瘍の機能性・非機能性の再定義・再分類により内分泌腫瘍学にパラダイムシフトをもたらしうる。
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