研究課題/領域番号 |
20K21610
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
豊嶋 崇徳 北海道大学, 医学研究院, 教授 (40284096)
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研究分担者 |
坂本 直哉 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10334418)
冨塚 一磨 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40444640)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | GVHD / TGF-beta / 肝幹細胞 / オーガノイド / 胆管上皮幹細胞 / 造血幹細胞移植 / マクロファージ / 肝GVHD / VOD/SOS / R-Spondin |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞移植は白血病・リンパ腫や造血・免疫不全症の根治的治療であるが、移植後肝合併症の代表である肝移植片対宿主病(GVHD)や肝中心静脈閉塞症(VOD)は難治性の合併症で、有効な治療法開発が喫緊の課題である。本研究では移植後肝傷害におけるLgr5+肝幹細胞の動態をレポーターマウスを用いて解析、肝幹細胞を標的とした新たな治療法を開発する。我々R-spondin1がLgr5+腸上皮幹細胞への増殖促進作用を有すことを見出しており、Lgr5+肝幹細胞増殖促進作用と病態改善効果を検討する。さらにR-spondin1を肝組織移行性抗体と連結し、より組織指向性の高い次世代型バイオロジクス医療の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
同種造血幹細胞移植後の重大な合併症である移植片対宿主病(GVHD)において肝幹細胞の動態を研究した。Lgr5-eGFP-レポーターマウスの移植後の肝臓の胆管上皮オーガノイド数は有意に減少していた。移植後肝組織でTGF-betaの発現亢進がみられ、TGF-betaの添加でオーガノイド生成が抑制された。TGFはマクロファージによって産生された。TGF-beta阻害薬SB-431542はTGFによるオーガノイド形成抑制を解除した。移植後のSB-431542の投与によってオーガノイド形成能が有意に改善した。TGF-betaが移植後のGVHDにおける胆管上皮幹細胞傷害のメカニズムであると結論付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同種造血幹細胞移植の組織傷害はドナーT細胞が組織幹細胞を標的とすることによる組織恒常性、修復、細菌叢などの破綻によるものであることを我々は、腸、皮膚で明らかにしてきた。残るのは肝臓GVHDであったが、ここでも同様に胆管上皮幹細胞が標的となることを世界で最初に明らかにすることができた。さらにマクロファージ由来のTGF-betaがその原因であることを明らかにできたことで、将来的な新たな治療開発への展開が期待される。
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