研究課題
挑戦的研究(萌芽)
糖尿病の発症機序解明、治療法確立において、膵β細胞量の減少は重要である。膵β細胞の増殖が加齢に伴って減少すること、膵β細胞内の遺伝子発現が不均質であること、などを手がかりとして、一細胞レベルでの遺伝子発現やエピゲノム制御を解析する最新の技術を用い、増殖刺激を受けた状態の膵β細胞を解析することに加え、既存のデータベースを用いたバイオインフォマティクス解析を用いることによって、膵β細胞の増殖機構の解明、加齢との関係、またその増殖を刺激しうる候補薬剤の発見などを目的とした研究である。最終的には膵β細胞量を回復させ、糖尿病発症予防や糖尿病治療に応用することを目指す。
糖尿病は進行性の膵β細胞の機能不全および膵β細胞量の低下を病因としているが、膵β細胞量を標的にした治療法は確立されていない。そこで、本研究では膵β細胞増殖の分子基盤解明に着目し、膵β細胞増殖制御に関わる遺伝子ネットワークを同定することを目的とした。、膵β細胞増殖を促す膵部分切除(PPTx)を行った単離膵島でのシングルセルRNAシークエンスでは、擬似時系列解析により、成熟膵β細胞における増殖停止期から増殖期への遷移時に、小胞体ストレス応答関連遺伝子の発現が増強していた。これにより、PPTxによる膵β細胞増殖にはERストレスが関与している可能性が示唆された。
糖尿病は進行性の膵β細胞の機能不全および膵β細胞量の低下を病因としている。膵β細胞機能不全についてはこれまで多種の治療薬が開発されている一方で、膵β細胞量を標的にした治療法は確立されていない。本研究により、膵β細胞増殖にはERストレスが関与している可能性が示唆されたことで、今後、膵β細胞増殖制御の分子機構解明、さらには、増殖促進を介した膵β細胞量を標的にした治療法の開発が進むものと期待される。
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すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 4件)
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