研究課題/領域番号 |
20K21618
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人かずさDNA研究所 |
研究代表者 |
遠藤 裕介 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (80612192)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | CRISPR/Cas9 / エピゲノム編集 / ぜんそく / アトピー / 病原性Th2細胞 / CRISPR-TGA / Tpath2 / アレルギー / CRISPR/Cas9 TGA / 病原性リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの基礎研究の積み重ねにより、各種疾患を制御する因子についてはいくつも報告されている。しかしながら、研究システム面での限界から、病態への影響評価については進みが非常に遅く、実際に治療効果を評価・開発にいたるまでにかなりの時間を要する。本研究では、これまでに培ってきた免疫アレルギー病態研究の経験を生かし、我々が同定してきた制御因子についてCRISPR/Cas9 TGAシステムを用いて疾患治療を効率よく行う新規遺伝子治療システムの構築を図る。
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研究成果の概要 |
特定の転写制御コンポーネント(MS2-p65-HSF1 or KRAB-DNMT3A/3L)と切断活性のないdCas9を組み合わせることでDNAを切らずに制御するエピゲノム編集(dCas9 活性:Epi-activator/抑制:Epi-suppressor)を高効率で誘導できることを示した。具体的には、IL-10、IL-27などのサイトカインについては、数十倍以上の誘導、およびDusp10などのシグナル因子については数倍の発現誘導が認められた。また、リンパ球についてはアデノ随伴ウイルス(AAV)セロタイプDJが、上皮細胞についてはセロタイプ6が優先的に感染できることを検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エピゲノム編集システムはDNAに傷を入れないため、従来のゲノム編集と比べて安全面での優位性がある。また、エピゲノム編集の強みは、抑制だけでなく特定因子を長期活性化させることができる点にある。疾患制御に関して、特定因子の活性化は一因子だけでも強力な作用を示すことが認められ、アレルギー治療に対する期待は大きい。また、既に臨床面で使用されているAAVや脂質ナノ粒子を用いるため比較的安価であり、経済的・社会的に及ぼす波及効果は大きい。さらに、ほとんど全ての既存治療法は対症療法に限定されているが、本研究でエピゲノム編集を長期間持続する技術が確立されれば根治につながる可能性が高く革新的な治療法となる。
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