研究課題/領域番号 |
20K21624
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 昌史 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50400453)
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研究分担者 |
稲垣 明子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20360224)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 免疫抑制剤 / 膵島移植 / KRP-203 / FTY720 / 新生血管 / 耐糖能障害 / 耐糖能 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の移植医療で必須とされている免疫抑制剤は、患者のみならず移植グラフトにも糖尿病や血管障害などの悪影響を及ぼす事が明らかとなり社会問題と化している。申請者らは新たな作用機序を有するKRP-203に着目し、この新規物質が糖尿病を引き起こさない、血管障害を生じない、拒絶反応を効果的に制御できる事を本研究にて実証し、体に優しい理想的免疫抑制剤として確立する事を目指す。また本研究においては、KRP-203が元来強力な抗炎症作用も保持している事を鑑み、拒絶反応が起こらない同種同系モデルにおいてもグラフト生着を促進するという大胆な仮説を検証する事により、移植医療における免疫抑制剤の立ち位置転換に挑む。
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研究成果の概要 |
本研究においては、現行の標準免疫抑制剤であるカルシニューリン阻害剤に依存しない、新たなプロトコールの樹立を目的とし、KRP-203に着目した。その結果、KRP-203はカルシニューリン阻害剤と異なり、移植グラフトに耐糖能障害や新生血管構築阻害を引き起こさないことが明らかとなった。また、ラパマイシンと組み合わせることにより、同種免疫拒絶反応を効果的に制御できる安全かつ有効な免疫抑制剤であることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、副作用が社会的課題となっている現行の標準法であるカルシニューリン阻害剤に依存しない、患者の体や移植グラフトに優しい新たな免疫抑制療法を樹立することができた。本研究の恩恵を最も直接的に享受するのは糖尿病治療を目的とする膵島移植であるが、耐糖能障害がないという観点では膵臓移植も対象となるし、新生血管構築阻害がないという観点では肝細胞移植など多くの細胞移植医療に恩恵をもたらすことが期待される。
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