研究課題/領域番号 |
20K21629
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
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研究分担者 |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80243252)
笠原 勇矢 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, サブプロジェクトリーダー (10740673)
清水 大 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50723037)
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50589786)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 消化器癌 / Transcriptome解析 / 癌治療核酸医薬 / 高機能性人工核酸 / アンチセンス核酸 |
研究開始時の研究の概要 |
早期根治切除例の予後は期待できるものの、転移・再発性となるときわめて予後不良であることは、全ての消化器癌における共通かつ重大な問題点である。全身化学療法は分子標的治療薬を中心に徐々にラインナップを増やしているが、不応・耐性が治療成績の限界を産んでおり、全く別の作用機序を有するアプローチの開発が必要である。本研究では、新規標的分子に対する優れた阻害効果を有するアンチセンス核酸を創製し、革新的な効果を発揮する癌治療核酸医薬を開発していく。
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研究成果の概要 |
予後不良な転移・再発性消化器癌に対するアンチセンス核酸医薬を用いた新規治療薬開発を目的とした。Transcriptome解析を経て癌転移を司る候補分子としてCSRNP3、CPLX1、RNFT2を厳選し、これらに重点を置いてデータ構築した。mRNA二次構造予測システムを用いてデザインしたアンチセンス核酸は、癌種横断的な癌細胞増殖能抑制効果を示した。CSRNP3に対するアンチセンス核酸は、マウス腹膜播種モデルで腫瘍進展を抑制した。CSRNP3ノックダウンによりシスプラチンの抗腫瘍効果が増強した。これら分子の組織中発現度は、胃癌症例の生存期間や転移再発率に相関していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で解析した標的分子群は、試験管内の細胞株でなく治療抵抗性を示した癌の臨床検体から見出したシーズである。既存の治療法では制御できなかった状況を克服するための鍵となり得る分子であると考えている。また、悪性腫瘍と標的分子群を関連づける報告はこれまでに皆無であり、新規性が高く、既存の治療薬の標的と異なるため、新しい作用機序を有する治療薬となることが期待される。さらに、アンチセンス核酸医薬開発という明確な創薬コンセプトをもってデータ構築している。個別化治療において重要な、対象選別のためのコンパニオン診断技術の基盤となる発現データも取得した。
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