研究課題/領域番号 |
20K21637
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山高 篤行 順天堂大学, 医学部, 教授 (40200703)
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研究分担者 |
松本 有加 順天堂大学, 医学部, 助教 (50813672)
中村 哲也 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (70265809)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 神経因性膀胱 / 膀胱拡大術 / 悪性腫瘍 / 膀胱上皮 / 分化制御機構 / オルガノイド / fibroblast growth factor / 腸上皮置換 / 経因性膀胱 / 腸管利用膀胱拡大術 / 膀胱オルガノイド / オルガノイド移植 |
研究開始時の研究の概要 |
二分脊椎などにより生じる下部尿路機能障害に対し施行される腸管利用膀胱拡大術では、腸粘液産生などに起因する尿路結石や悪性腫瘍発生の危険性があり、これに代わる画期的治療開発が望まれる。 本研究では、ⅰ)正常膀胱上皮オルガノイド培養技術を確立し、ⅱ)大腸上皮を膀胱上皮に置換する腸組織作成を試み、ⅲ)膀胱上皮化した大腸組織を利用した膀胱拡大術の実施を動物モデルで検証する。 特定臓器の一部を他臓器のそれと置換する技術概念に基づき、患者自身の膀胱上皮を生着させた大腸組織を用いた新規膀胱拡大術の実現可能性を探る本研究は、長期合併症リスクを抑えながら膀胱容量を改善させる独創的再生医療技術を提供しうる。
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研究成果の概要 |
本研究では、正常マウス膀胱オルガノイド培養を安定した技術として確立し、培養細胞の性状解析を行い、さらにマウス結腸にこれら膀胱オルガノイド細胞を移植する技術開発を目指した。 その結果、オルガノイド培養環境においては膀胱上皮の中でも未分化細胞が優位に維持されること、また添加するfibroblast growth factor (FGF)タンパクの種類の違いによって細胞分化の誘導に差異があるという新しい知見が得られた。また、開腹したマウスの近位結腸の内腔処理をおこない上皮を剥離し、ここに培養し増やした膀胱オルガノイドを生着させることに成功したとともに、移植片の組織解析を加えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消化管を利用した膀胱拡大術の術後長期合併症として、腸粘膜と膀胱組織の混在に起因する膀胱内結石や悪性腫瘍の発生が大きな問題となっており、新規治療開発が切望されている。本研究では、マウス結腸上皮を安全に剥離し、独自に培養確立した正常マウス膀胱オルガノイドを移植することで膀胱上皮化ハイブリッド結腸作成の技術基盤を築いた。本研究成果と今後の更なる進展により、腸粘膜の存在に由来する合併症リスクを緩和させるための新規膀胱拡大術へと応用させる可能性がある。
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