研究課題/領域番号 |
20K21644
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
曽田 泰 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任准教授 (00361618)
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研究分担者 |
宮本 将平 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任講師 (20758536)
廖 紀元 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任研究員 (90781857)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | グリオブラストーマ / 難治性腫瘍 / 腫瘍溶解ウイルス療法 / 腫瘍特異的栄養要求性 / バイスタンダー効果 / 腫瘍溶解性ウイルス / 腫瘍特異的代謝 / 耐性克服 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性脳腫瘍グリオブラストーマ(GBM)に対して様々な治療法が開発されてきたが、予後は改善しておらず、新たな治療法開発は急務である。最近、治療抵抗性の癌にも有効な治療法として、腫瘍溶解性ウィルス(OV)療法が注目されている。我々はこれまでに、抗腫瘍効果と低毒性を兼ね備えた第二世代コクサッキーウィルスB3(CVB3)療法の開発に成功したが、GBM細胞の中には感受性が低いものを認めた。そこで本研究では、腫瘍特異的な性質を標的とした耐性克服法の開発を目指す。本治療法は、幅広い癌種を対象とした種々のOV療法への応用も期待できるため、臨床的にも重要な意義を有すると考えられる。
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研究成果の概要 |
難治性悪性腫瘍に対する新規治療法として、腫瘍溶解性ウィルス(OV)療法が期待されている。これまでに、種々のウイルスについて腫瘍細胞傷害性および安全性を検討したが、抵抗性を示す腫瘍もあった。そこで本研究では、耐性克服のためにメチオニン(Met)分解酵素(METase)を利用し、(1)直接的腫瘍溶解作用、(2)Met欠乏誘導による抗腫瘍作用および(3)抗腫瘍免疫誘導作用の3作用を併せ持つ次世代OV療法の開発を試みた。種々の腫瘍細胞に対する傷害性を検討し、さらに効果を得るために改良を試みている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
極めて難治性のGBMは生存期間中央値約1年半で、予後の改善は数十年間ほとんど認められないため、新規治療法の開発が渇望されている。本研究で開発を目指した新規OVは、従来のOV療法が持つ作用に加え、腫瘍特異的栄養要求性を標的とした治療法である。従って、現在標準治療として行われている化学療法や放射線照射に抵抗性のGBMに対する有効性が期待される。また、METaseの利用は他のOV療法にも応用可能と考えられるので、種々の難治性腫瘍に対する有効性が期待され、学術的・社会的意義は高いと考えられる。
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