研究課題/領域番号 |
20K21652
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (90260611)
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研究分担者 |
嘉島 相輝 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (50842952)
中村 英二郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (90293878)
後藤 崇之 京都大学, 医学研究科, 講師 (90806605)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害剤 / 腎細胞癌 / ヒト化シンジェニックマウス / 患者由来ゼノグラフト / 抗PD-1抗体 / エクソソーム / 患者癌組織由来ゼノグラフト / 薬剤抵抗性 / 転移形成 / 腫瘍間質相互作用 / 腎癌 / 癌免疫 / 癌ニッチ / ゼノグラフト / シンジェニックマウス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) が新たな癌治療選択肢として登場したが、固形癌における奏効率は高くない。In vivoでは多様な免疫細胞ネットワークと腫瘍微小環境が形成され動的に変化するため、横断的な臨床検体の解析のみでは不応性機序の全容を解明することは困難である。 そこで本研究では、ICIの効果が高い固形癌の一つである腎癌を対象として、患者由来の癌組織と免疫細胞を同時に移植した同一患者由来ヒト化シンジェニックマウスモデルを開発する。このモデルにより腎癌の特徴的な癌免疫環境を忠実に再現し、ICI治療モデルでの癌免疫環境の動的解析を目指す。
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研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の腎癌治療への効果を調査するため、患者由来の腫瘍組織と免疫細胞を移植したヒト化マウスモデルを開発した。NOGとNOG-DKO免疫不全マウスへ健常人の末梢血単核細胞を移植し、新たなPDX(患者由来のゼノグラフト)を3系統作成。ヒト抗PD-1抗体との相互作用を比較し、ヒト抗PD-1抗体投与群でヒトCD45+細胞の割合とヒトCD8+細胞が有意に増加し、癌組織への浸潤も増加したことが確認された。また、抗PD-1抗体と新規標的治療薬の併用療法により腎癌の増殖を有意に抑制することができた。この結果から、この新規PDXモデルは癌免疫研究に有用なツールと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、同一患者由来の腫瘍組織と免疫細胞を利用した次世代ヒト化シンジェニックマウスモデルを開発に成功した。その結果、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果を評価する新しい前臨床モデルが確立された。本研究成果は、ICIの治療効果や耐性・不応性機序をより深く理解し、新たな治療法の開発へとつながる可能性を持つ。さらに、この研究モデルは他の固形癌へも応用が期待され、癌免疫療法研究全体の発展に貢献すると考えられる。
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