研究課題/領域番号 |
20K21657
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 卓也 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70599505)
|
研究分担者 |
古目谷 暢 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60721082)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 精子形成 / 精巣 / レトロトランスポゾン / 逆転写酵素阻害剤 / 体外精子形成誘導 / 器官培養 / 胎仔精巣 / LINE1 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はマウス精巣を器官培養することで精子形成過程をin vitroでの再現に成功したが、その精子形成誘導効率が低いことが課題である。最近、逆転写酵素阻害剤を培地に添加し培養するとin vitro精子形成効率が向上することを発見した。逆転写酵素阻害剤はレトロ転移を抑制するという作用機序から、in vitro精子形成を阻害する原因はレトロトランスポゾンにあると仮説を立てた。そこで本研究課題では、in vitro精子形成とレトロトランスポゾンとの関連性を明らかにし、誘導効率低下の原因を探索し特定することを目的とする。それによって高効率精子形成誘導法の開発を実現し、さらにはヒトのin vitro精子形成誘導法の開発へと発展させる。
|
研究成果の概要 |
新生仔マウス精巣を器官培養することで、精子幹細胞から精子へ分化誘導することが可能になっている。しかしながら、より幼弱な胎仔期精巣(胎齢12.5日)では体外で精子形成を誘導することはできていなかった。本研究において、逆転写酵素阻害剤を添加した培地で胎仔精巣を器官培養することで、半数体である円形精子細胞や伸長精子細胞まで分化誘導させることに初めて成功した。さらに、これらの精子細胞が正常な細胞かどうか確認するため、顕微授精実験を行った結果、健康な産仔を得ることに成功した。これらの結果は、胎仔精巣における体外精子形成が正常に進行したことを証明している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、逆転写酵素阻害剤が体外精子形成の誘導効率を改善することがあきらかとなり、新たに胎仔期精巣の培養法を確立することができた。これによって胎仔期精巣の発達から出生後の精子形成の開始、精子完成にいたる過程が体外で解析が可能になった。本研究において開発した胎仔精巣の培養は、胎仔期の精巣発生モデルとして、 発生学的な観点から新たな情報を提供できることが期待される。
|