研究課題/領域番号 |
20K21661
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小川 郁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 名誉教授 (00169179)
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研究分担者 |
三枝 智香 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (00280800)
神崎 晶 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50286556)
藤岡 正人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70398626)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | コンパニオン診断 / 難聴 / 聴覚医学 / Precision Medicine / 自己免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
研究チームが有する自己免疫性難聴特異的発現遺伝子群の知見に基づき、簡便・簡易に測定可能な自己免疫性難聴マーカー検査キットを樹立する。一般に、原因不明の急性感音難聴患者に対しては、経験知からステロイドによる加療(海外では抗体医薬による抗炎症療法)をするが、その効果は一部の症例に限られる。本研究成果により、ヘテロな集団と想定される急性難聴患者の中から、これらの治療法に反応し得る症例を投薬前にピックアップすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、「突然の聴力低下」という症候で定義されたバスケットネーム疾患である「難聴」患者から、自己免疫を病態とする症例を鑑別し、ステロイドや抗体医薬による抗炎症治療へつなげる簡易コンパニオン診断薬の創出を最終目的とする。当研究室で10年来研究してきた、自己免疫性難聴遺伝子改変動物(H24, 27, 30年基盤研究(B))の内耳および末梢血の遺伝子発現の網羅的解析から、末梢血では一部の炎症・免疫関連遺伝子に限局してその変動を認め、特にCD4陽性T細胞による自己免疫性難聴のモデルで大きな発現プロファイル変化を認めた。組織学的解析では、同モデルの内リンパ嚢上皮内でアポトーシスが亢進していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
末梢血での転写レベルでの発現解析による急性感音難聴のコンパニオン診断で、ヘルパーT細胞依存的な自己免疫性難聴を鑑別し得る可能性があることが、本研究によって明らかになるとともに、そのような難聴における病態発現の機序の一部が、明らかになった。 原因不明の突発性難聴患者に対しては経験知からステロイド(海外では抗体医薬による抗炎症療法)などを投与するが、その効果は一部の症例に限られる。本研究成果を元に、ヘテロな集団である急性難聴患者から、自己免疫、炎症関連症例を投薬前にピックアップすることで、副作用のある薬剤や高額薬の無駄な投薬を減らし、リスク・コスト/ベネフィットを高められるものと期待される。
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