研究課題/領域番号 |
20K21671
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
寺尾 豊 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50397717)
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研究分担者 |
伊東 孝祐 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20502397)
土門 久哲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00594350)
前川 知樹 新潟大学, 医歯学系, 研究教授 (50625168)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | MRSA |
研究開始時の研究の概要 |
抗菌薬に耐性を示す黄色ブドウ球菌(MRSA)が,各国で数得多くの院内感染を引き起こし問題となっている.しかしながら,耐性菌の新薬開発研究は,国内外で不十分という現実に直面している.そこで本研究では,CRISPR-Casゲノム編集技術を応用し,MRSAの耐性因子PBP2’等の遺伝子を特異的に削除するDNA製抗菌薬の開発に挑戦する.
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研究成果の概要 |
国内のMRSA院内感染の死者推計は,年間1万人以上である.さらに,最新の院内感染対策サーベイランスでは,国内医療機関におけるMRSA検出率が約100%となった.それにも関わらず,耐性菌の新薬開発研究は,国内外で不十分という現実に直面している.そこで本研究では,CRISPR-Casゲノム編集技術を応用し,MRSAの耐性因子PBP2’を特異的に削除するDNA製抗菌薬の開発に挑戦した.DNA(CRISPR-Cas発現プラスミド)を素材とすることで,副反応の可能性が低く,耐性進化に合わせガイドRNA配列を変更するだけで薬剤標的を変更できる簡便さに富み,安価で安定な新抗菌薬となり得るからであった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,歯科臨床にも関連深いMRSA対策を足掛りとし,成果の波及を期すのは,WHOが予測する2050年における世界の耐性菌問題である.将来の耐性菌により推計される被害,すなわち“年間約1兆円の社会的・経済的損失と約1000万の人命(WHO試算)”を救う挑戦であり,そのための「芽生え期」の計画である.また,耐性菌を生まない万能抗菌薬を求める既存の研究から,新たな耐性菌の出現を前提とする着想に切り替え,その次の対策を事前想定したオンリーワンの研究でもある.
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