研究課題/領域番号 |
20K21674
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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研究分担者 |
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
柏木 陽一郎 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (20598396)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 歯周病治療 / エピゲノム / DNA超らせん / スーパーエンハンサー / サイトカインストーム / エピジェネティクス / 細胞老化 / ATACシークエンス / 歯根膜細胞 / 炎症 / エンハンサー / BRD4 / DNAのねじれ / DNAトポイソメラーゼー / 液相分離 / ネオエピゲノム歯周病治療 / 相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAのメチル化、ヒストン修飾などのエピゲノムの概念では、基礎疾患を有する高齢者にみられるサイトカインストームのような急性炎症病態の理解は困難である。近年、遺伝子転写に重要な分子機構として、クロマチンの高次構造、DNA超らせんのねじれの解消や複数のエンハンサーの局所的なクラスターであるスーパーエンハンサーの相分離による調節機構が提唱されている 。本研究では 、DNAのねじれやスーパーエンハンサーの影響が大きい炎症関連遺伝子の包括制御を明らかにし、急性炎症の病態をゲノムレベルで解明する。そして、クロマチンと相分離の制御に基づく超エピゲノムの新規戦略により、免疫低下した高齢者の歯周病の征圧に挑む。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、歯周組織構成細胞のDNA超らせん高次構造とスーパーエンハンサーの役割を検討し、炎症性サイトカイン遺伝子の包括的な転写制御機構の解明に挑んだ。その結果、老化ヒト歯根膜細胞(HPDL)において、Pol IIを標的とするmicroRNA-34aの発現増加を認めた。そして、炎症性サイトカインの産生にとり、DNAのねじれとスーパーエンハンサーの形成が重要であることがDNAトポイソメラーゼI、BRD4、PTEFbの特異的阻害から明らかとなった。また、ATACシークエンス法により、老化HPDLの炎症性サイトカイン遺伝子の上流領域のユークロマチン活性の増加を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAのメチル化、ヒストン修飾のエピゲノムの概念では、基礎疾患を有する高齢者にみられるサイトカインストームのような急性炎症につながる病態のゲノムレベルの理解は困難である。本研究では、老化歯周組織細胞の炎症性サイトカインの調節、制御において、DNA超らせん高次構造とスーパーエンハンサーが重要であることを示した。これは、クロマチン構造と転写因子のゲノム領域への結合を制御することにより、炎症性サイトカインストームを抑制することが可能であることを示唆する。これらの結果は、免疫の低下した高齢者の重篤な歯周病を対象とした新規の歯周病予防・治療法開発にとり有用な分子基盤となるものである。
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