研究課題/領域番号 |
20K21677
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30550941)
|
研究分担者 |
田中 晋 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (00367541)
黒坂 寛 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20509369)
内橋 俊大 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60757839)
山城 隆 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70294428)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | ヒアルロン酸 / エナメル質形成不全 / 顎骨嚢胞 / Tmem2 / 顎嚢胞 / 顎骨 / 嚢胞 / 骨吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、新規ヒアルロン酸分解酵素Tmem2を同定し、その機能解析を進めている。その中で、Tmem2の口腔上皮特異的ノックアウトマウスは出生時には骨格系に異常を認めないものの、出生後8週齢において顎骨内に骨吸収を伴う嚢胞様の病変を自然発症することを見出した。 本申請課題は、顎骨嚢胞を自然発症する極めて希少なマウスモデルを用いて、これまで未解明であった顎骨(発育性)嚢胞形成の分子機構解明に取り組む挑戦的研究である。
|
研究成果の概要 |
Tmem2;K14-Creマウスはコントールマウスと比較して、エナメル質の形成不全を認めた。また、HE染色の組織学的解析よりエナメル芽細胞の細胞接着の異常と細胞極性の乱れがあることを明らかにした。さらに、integrin b1、vinculinといったfocal adhesionに関与する分子のエナメル芽細胞と基底膜における発現がTmem2;K14-Creマウスにおいて低下していることが明らかになった。また、F-actinの染色性低下や Claudin1の染色性の低下をTmem2;K14-Creマウスにおいて認めたため、細胞間のtight junctionに異常が生じていることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エナメル質の形成異常は歯の存続に関わる極めて重要な病態である。エナメル質形成不全の患者は、多発性の齲蝕などによりQOLが著しく低下する。これらに対する根治的な治療法は存在しない。また、メカニズムについても不明な点が多く残されている。本研究成果は、Tmem2の遺伝子がエナメル質の形成に関わっていることを示す初めての報告である。また、顎骨嚢胞の形成についても本研究期間中に明らかにした細胞接着の異常によって一部説明することが可能である。これらの成果を踏まえ、学術雑誌に投稿準備中である。
|