研究課題/領域番号 |
20K21719
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
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研究分担者 |
木山 昌彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, その他 (10450925)
今野 弘規 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (90450923)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 生活習慣 / 脂質異常 / 精神症状 / 地域住民 / うつ症状 / 多様性 / 疫学研究 / ストレス / 社会心理的ストレス / 脂肪 / 脳機能 / 介入 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会心理的ストレスと脂肪・糖代謝異常との関連に腸内細菌叢の不均衡が介在するという仮説のもと、地域住民にて社会心理的ストレス、腸内細菌叢、及び脂肪・糖代謝との関連の横断的分析に加え、長期に渡る社会心理的ストレス及び脂肪・糖代謝の変化が腸内細菌叢に及ぼす影響、及び腸内細菌叢が心理的ストレス、脂肪・糖代謝に及ぼす影響を前向きに明らかにする。さらに、無作為化介入試験にて腸内細菌叢の不均衡及び脂肪・糖代謝の改善効果を明らかにする。これにより社会心理的ストレス、腸内細菌叢、及び脂肪・糖代謝との相互連関に学術的に貢献できることに加え、生活習慣病、精神的疾患の予防対策の新たな方策に貢献する。
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研究成果の概要 |
秋田県30~75歳の住民を対象として、健診に併せて腸内細菌検査を実施した。2019年~2022年にかけて407名が受診した。男女別にみると、ビフィズス菌や乳酸菌の割合は男性より女性の方が高い値であった。また、飲酒習慣を持つ人ではビフィズス菌や乳酸 菌が少ない傾向が見られた。特に男性では飲酒量が1日平均2合以上の人では、2合未満の方よりもこれら善玉菌の割合がより少ない傾向が確認された。さらに、うつ症状を持つ者ほど食物 繊維の摂取量が少なく、ルミノコッカス属の割合が高い傾向がみられた。また、男性において、Shannon 指数が低い群に比べて高い群において、うつ症状を持つ者のオッズ比が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、地域住民の健診に併せて腸内細菌検査を行った結果、男性よりも女性の方に善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌が多く、男性では多量飲酒が善玉菌を減らす方向に働くことが明らかになった。また、うつ症状など精神疾患と腸内細菌との関連もみられた。近年、腸内細菌と脂肪及び脳機能との関連が報告されるようになってきたが、本研究の結果、腸内細菌は飲酒などの生活習慣によっても影響を受けることから、心理的ストレスが飲酒量の増加を介して腸内細菌に影響する可能性も示唆された。今回、脂肪との関連は明らかではなかったが、今後対象地域を増やすことにより、脳ー腸ー脂肪連関を詳細に検討する必要がある。
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