研究課題/領域番号 |
20K21721
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
高橋 忠伸 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (20405145)
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研究分担者 |
池田 潔 広島国際大学, 薬学部, 教授 (40168125)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シアリダーゼ / ノイラミニダーゼ / 酵素 / インフルエンザウイルス / 蛍光検出 |
研究開始時の研究の概要 |
2013年に中国でヒトに感染したH7N9型鳥ウイルスのノイラミニダーゼ遺伝子の発現細胞で酵素活性の性状を、ヒトウイルスおよび通常の鳥ウイルスと比較して、ヒト伝播の要因の候補となるノイラミニダーゼの酵素性状を探索する。さらに、その酵素性状の迅速簡易測定法を開発する。その酵素性状がヒト細胞へのウイルス感染増殖性に影響するのかを調査することで、ヒト伝播に関わるノイラミニダーゼの酵素活性の指標を明らかにする。
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研究成果の概要 |
2013年以降、中国でH7N9型鳥インフルエンザウイルスのヒト感染例が多く報告された。鳥ウイルスの鳥からヒトへの異宿主間伝播機構における、ウイルス表面タンパク質のノイラミニダーゼ(NA)の機能を解明するため、2013年にヒトから分離されたH7N9型鳥ウイルスのNAの性状を調査した。H7N9型鳥ウイルスのNAの性状は、一般的な鳥ウイルスのNAとほぼ同様であり、ヒトウイルスに近い性状は見られなかった。そこでN9型NAにおいて、鳥ウイルスとヒトウイルスの間で大きく異なるpH依存的な酵素性状を規定するアミノ酸置換を同定した。その性状の変化がウイルス増殖に大きく影響することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2013年にヒト感染例が多く報告された鳥インフルエンザウイルスのN9型NAの性状は、一般的な鳥ウイルスとほぼ同様であった。NAの性状の観点から、ヒト感染に関わる要因を明らかにできなかった。しかし、そのN9型NAの1系統は、中性における活性が低下していた。これは、一般的なウイルスNAの性状ではなかった。季節性ヒトウイルスNAに見られる酸性に不安定なNAや中性における活性が低下したNAは、N9型NAにおいてウイルス増殖を低下させた。これらのNAの性状は、ウイルス増殖性に大きく関わっていた。
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