研究課題/領域番号 |
20K21723
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 洋平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50452462)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 国際感染症 / 新興ウイルス / インフルエンザ / 宿主適応 / インフルエンザウイルス / パンデミック化 / 適応進化 / 代償性変化 / 適応変異 / ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
過去のパンデミックインフルエンザはなぜ特定の亜型(H1N1/H2N2/H3N2)に限定されているのか全く分かっていない。本研究の目的は、「インフルエンザウイルスに潜在的にパンデミック化しやすい群(亜型)としにくい群(亜型)が存在する」という新しい仮説を実証することである。実証されればパンデミックインフルエンザの研究や対策にパラダイムシフトをもたらす。
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研究成果の概要 |
インフルエンザウイルスを対象に、過去にパンデミック化した群(H1N1/H3N2亜型)と高病原性ながら未だにパンデミック化していない群(H5N1亜型)間で宿主適応変異を導入する前後でHA特性変化を比較した。その結果、H1N1/H3N2-HAにおいては、変異導入によるヒト型レセプター結合特異性の獲得が膜融合pH閾値とHA構造安定性の代償性変化を伴わず、その特性がH5N1-HAと大きく異なることが明らかとなった。またPB2とNAの変異群について解析した結果、ヒト増殖性を高めるだけではなく抑制する変異も存在しており、パンデミックは複数遺伝子の変異による協調やtune-upも重要であると推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「高病原性インフルエンザウイルスがパンデミック化するのか」という問いに対する科学的根拠は少ない。本研究の遂行によって、宿主適応過程におけるH5N1-HAの特性変化が過去にパンデミックを起こしたH1N1/H3N2-HAとは異なる可能性が示された。得られた知見はパンデミックインフルエンザに対するさらなる理解と今後のパンデミック対策へのより効果的な施策に役立つものと考えられる。
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