研究課題/領域番号 |
20K21725
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
市原 佐保子 自治医科大学, 医学部, 教授 (20378326)
|
研究分担者 |
及川 佐枝子 (多田佐枝子) 椙山女学園大学, 生活科学部, 准教授 (90610585)
橘 勝 横浜市立大学, 理学部, 教授 (80236546)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ナノ粒子 / プラスチック / 腸上皮細胞 / リスク評価 / ヒト腸管上皮細胞 / 腸管上皮細胞 / 炎症反応 / 消化器系 / ナノプラスティック |
研究開始時の研究の概要 |
海に漂うプラスチックの破片は小さな粒子に砕けていき、マイクロプラスチックおよびナノプラスチックとなるが、これらのヒトへの影響は未だ明らかではなく、生体影響に関するリスク評価が求められている。本研究は、炎症性腸疾患モデルマウスを使用し、ナノプラスチックによる腸管免疫機構の破綻を介する消化管炎症反応の誘導および増悪作用の機構を解明し、ナノプラスチックの消化管に対するリスク評価法を開発することを目的とする。本研究では、蛍光ナノプラスチックを新たに作成し、粒子を可視化させることによりその生体内での動態の把握を目指しており、体内動態と生体反応を同時に明らかにしていく。
|
研究成果の概要 |
海に漂うプラスチックの破片は小さな粒子に砕け、マイクロプラスチックおよびナノプラスチックとなるが、これらのヒトへの影響は未だ明らかではなく、その生体影響の解明が求められている。本研究では、ナノ粒子の表面電荷の違いによる腸上皮細胞への影響と50 nmと200 nmのポリスチレン粒子の影響を検討した。その結果、正または負に表面荷電した粒子は腸上皮細胞の炎症反応を誘導する可能性があると示唆された。一方、市販のポリスチレンのマイクロ/ナノ粒子の曝露では、腸上皮細胞における炎症誘発性反応は認められなかった。紫外線などにより表面電荷が変化したプラスチック粒子のリスク評価が必要であると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性腸疾患は、腸内細菌叢に対する免疫応答機構の破綻に加え、遺伝因子や食事、ストレスなどの環境因子が関与する多因子疾患である。最近、経口摂取されたナノ粒子は、炎症性腸疾患誘導の過程で炎症反応を増強する可能性が示唆されている。そのため、マイクロ/ナノプラスチックの消化管に対するリスク評価法の確立が求められている。本研究により、紫外線により劣化したプラスチックによる影響やプラスチックに吸着する環境汚染化学物質を考慮した複合曝露による影響の検討が必要であることが明らかになった。
|