研究課題/領域番号 |
20K21727
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大場 謙一 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (60256477)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | microRNA / カドミウム / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
実験動物ラットに有害物質としてカドミウムを短期又は長期間投与し、その曝露された ラットの血液及び尿試料中からエクソソームを回収・精製し、そのエクソソームに含まれる miRNAをreal-time PCR法で分析する。この曝露により増加するmiRNAを検出する。また,血液及び尿中のカドミウム濃度を測定し、miRNA濃度との関係を比較し、カドミウムの曝露指標としてmiRNAが利用可能かどうかを検討する。
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研究成果の概要 |
有害化学物質を扱う労働者の曝露指標として,尿及び血中エクソソームに含まれるmicroRNA(miRNA)がその指標として有用性があるかどうか調べるため,ラットにカドミウム(Cd)を経口投与し,投与期間は短期間と長期間の曝露を行った。Cd曝露後,尿及び血中エクソソームに含まれるmiRNAは380種類のプライマーを用いてreal-time PCR法で解析した。それぞれのエクソソームからCd短期及び長期曝露において増加または減少したmiRNAが検出できた。このように検出されたmiRNAは,Cdの影響を受けていることが予想されるため,Cdの曝露指標となると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソームは,細胞から放出される膜小胞で,miRNAなどを含み,そのmiRNAは,標的とする遺伝子の発現を制御して,細胞増殖,アポトーシスなどのプロセスにおいて重要な働きをする。本研究はCd曝露により細胞が障害を受け,その細胞からCd曝露に特異的なmiRNAを含むエクソソームが分泌されると予想し研究を行った。このようなmiRNAが特定されると,Cdの曝露指標になると考えた。さらにCd以外の重金属や有機溶剤等の曝露指標としてもmiRNAは利用することができ,様々な有害化学物質を用いて作業する労働者の健康障害の予防として利用価値が高いと考えられる。
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