研究課題/領域番号 |
20K21731
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
山根 拓実 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (80637314)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 褥瘡 / 滲出液 / Adiponectin / タンパク質栄養 / 創傷 / サイトカイン / ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
創傷治癒はタンパク質の摂取量と密接な関係があるため、タンパク質栄養状態を常時把握する必要がある。申請者は簡便で誰にでもでき、痛みや負担の少ない栄養状態の診断方法を開発すべく、創部からサンプリング可能な滲出液中のタンパク質に着目した。滲出液中のタンパク質を網羅的に解析し、低タンパク質栄養状態で変動する分子を同定するとともに既存の栄養マーカーとの相関を確認する。
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研究成果の概要 |
タンパク質摂取量は創傷治癒と密接な関連があるため、創部の滲出液を用いてタンパク質栄養のマーカーとなる分子の同定を行った。その結果、低タンパク質栄養状態の創傷モデルラットでは滲出液におけるAdiponectin濃度の増加が認められた。低タンパク質栄養状態のラットにタンパク質を再給餌すると体重及び血中のタンパク質栄養マーカーであるRetinol-binding protein(RBP)4に変化は認められなかったが、滲出液中のAdiponectin濃度は低下傾向を認めた。このことから、体重及び血中RBP4に比べ、滲出液中のAdiponectinは鋭敏な栄養マーカーとなり得る可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、これまでの創傷ケアでは単に廃棄されてきた滲出液を合目的に変化させ、タンパク質栄養の評価ツールとして利用するという、全く新しいコンセプトの管理手段の提案となり、患者だけでなく看護の者にもたらす恩恵は極めて大きいといえる。この方法を用いれば、在宅において簡易的かつ安全で患者に負担をかけることなく、医師や看護師などの医療従事者でなくとも栄養状態の把握が可能である。将来的にこの評価方法が臨床現場や在宅で導入されれば、寝たきり高齢者の低タンパク質栄養状態の早期発見につながり、効果的な栄養ケアの介入を行うことが可能となることが考えられる。
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