研究課題/領域番号 |
20K21732
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
西脇 祐司 東邦大学, 医学部, 教授 (40237764)
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研究分担者 |
道川 武紘 東邦大学, 医学部, 講師 (80594853)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | インフルエンザ / 社会環境要因 / 環境疫学 / リアルタイムサーベイランス |
研究開始時の研究の概要 |
インフルエンザ発生動向には、絶対湿度等の気候要因以外にも、人口流出入・人口密度や、交通量の多寡といった社会環境の影響が想定されるが、こうした社会環境要因との関連はほとんど解明されていない。川崎市健康安全研究所の協力の下、川崎市のリアルタイムサーベイランスデータと気候・社会環境データをリンケージさせ、この関連解明に挑戦する。2021年夏予定の東京オリンピック・パラリンピック時の影響検出についても検討予定である。
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研究成果の概要 |
インフルエンザ報告数データと社会環境データを連結し、インフルエンザ発生動向に影響を与える社会環境を解明することを目的とした。解析対象地域は東京都(島しょ除く)の保健所管轄区域(30地域)であり、定点医療機関当たりインフルエンザ年間報告数を目的変数とした。説明変数としては、常住人口、インフルエンザワクチン接種率、生活保護割合、世帯当たり人数、常住人口に対する流入人口比、流出人口比とした。その結果、人口の流出入は、インフルエンザ報告数とは関連が認められなかった一方、世帯当たり人数とは関連を認めた。世帯当たり人数の代わりに、全世帯数に対する子供のいる世帯数の割合としても関連が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インフルエンザは、公衆衛生上重要な感染症であり、関連した呼吸器死亡は世界で年間に29万から65万人と推定されている。また、学級閉鎖、院内感染の問題や、出勤停止による労働生産性の低下も含めて、社会に及ぼす影響はきわめて大きい。しかしながら、その伝搬メカニズムについてはまだよくわからないことが多い。本研究により、インフルエンザの地域での流行には、人流よりも地域の世帯構成が寄与する可能性が示唆された。本結果は、東京都での結果であり、他地域でも同様の関連が観察されるかどうかの検証が必要である。
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