研究課題/領域番号 |
20K21745
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
河野 大輔 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (10382904)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 肥満 / 視床下部 / DNAメチル化修飾 / エピゲノム編集 / チロシン水酸化酵素 / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、肥満者が増加しており、過食がその一因になっている。ドーパミンは、過食や嗜好性に関与しており、また、高脂肪食などにより、ドーパミン経路が後天的に変化することが知られている。我々はこれまでに、後天的な遺伝子発現調節機構であるDNAメチル化修飾が、ドーパミン合成の律速酵素のチロシン水酸化酵素(Th)遺伝子の発現に影響を与えていることを見出している。そこで本研究では、Th遺伝子のDNAメチル化修飾レベルを人工的に操作することによりドーパミン合成量を変化させ、摂食行動や体重にどのように影響が出るか調べる。また、肥満の予防・治療への応用の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
我々は以前に、視床下部室傍核のDNAメチル化修飾異常がチロシン水酸化酵素(Th)の発現を著しく増加させるとともに、肥満を誘導することを報告した。本研究では、エピゲノム編集を用いてTh遺伝子のDNAメチル化修飾レベルを人為的に操作し、体重を変化させることを目指した。 まず培養細胞により検討したところ、Thプロモーター領域のDNAメチル化修飾を低下させることができた。マウスの脳内におけるThのDNAメチル化修飾の誘導については、LNPを用いた導入方法などを試したが、十分な変化を誘導できるだけの投与条件の検討を完了するところまでには至らなかった。今後もこの課題を継続して行い実現を目指したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAメチル化修飾の操作によるドーパミン発現の調節は、肥満だけではなく、ドーパミンにかかわる複数の病気の治療につながるものであり、行う意義は高い。また、DNAメチル化修飾を標的とすることで、発現を単純に増加や抑制するのではなく、発現のされやすさに影響を与えて穏やか発現を変化させることが期待できる。また、DNAメチル化修飾の操作を中枢の特定のニューロン群で行うことは、技術的に容易ではないが、本研究を通して改善方法の検討を行うことができた。今後もこの課題を継続し、成功させて学術的、社会的に有意義なものにしたい。
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