研究課題/領域番号 |
20K21764
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
田巻 弘之 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40253926)
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研究分担者 |
荻田 太 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50224134)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 骨組織 / 神経 / マイクロCT / 骨 / 低酸素 / 水中運動 / 環境 / 骨代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、低強度の運動でも効果が得られるよう骨組織側の運動刺激に対する反応性を高める手法について検証する。特に、骨代謝が低調となっている高齢期モデル動物を対象に、低酸素環境を用いてローインパクトな運動でも骨量改善効果の創出に挑戦し、その効果発現機序の一端を低酸素刺激感受性イオンチャネル(TRPA1)を有する神経をターゲットに明らかにする。骨組織の微細構造分析や強度検査、組織細胞レベルで検証評価する。
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研究成果の概要 |
運動などの力学的刺激は骨量維持に有効だが、高齢期や代謝異常の骨組織ではその効果の現れ方が減弱する。この問題を解決するため、低強度刺激運動でも骨量維持により効果を創出しうるための運動を行う外的環境条件(低酸素環境)と骨内支配する低酸素感受神経の関連を検証した。低酸素環境下での低強度運動(水中運動)は定常環境下よりも糖尿病脛骨の骨量を高いレベルに維持した。次に低酸素感受性神経の薬理的阻害は骨量低下を引き起こした。低強度運動刺激でも骨内支配神経を活性化する外的環境(低酸素環境)が設定できれば、骨量維持に対する運動効果を高める可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は運動する外的環境を調整することでその効果の現れ方を最大限引き出そうとする取り組みであり、得られた結果は、骨代謝異常を有する骨組織において低酸素環境での有効性を示唆した。このことは高齢期や骨代謝異常であっても、力学的強度が低い運動でも骨量維持に有効であり、外的環境を工夫することで骨折リスクが高いケースでの運動処方にも活用できる可能性がある。またこの効果創出に骨内支配する酸素感受性神経が関連している可能性が示されたことは、神経系をターゲットとした新たな療法開発など各分野に波及するポテンシャルを有する。
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