研究課題/領域番号 |
20K21769
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 (2021-2022) 北海道医療大学 (2020) |
研究代表者 |
宮崎 充功 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (20632467)
|
研究分担者 |
坪田 敏男 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10207441)
下鶴 倫人 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50507168)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 冬眠 / 骨格筋 / タンパク質合成 / タンパク質分解 / サルコペニア / 筋萎縮 / タンパク質代謝 / mTOR / FOXO / ツキノワグマ / 血清 / 生理活性物質 / 萎縮 / 骨格筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
冬眠とは全身的低代謝状態における生命維持機構でもあり、その制御は液性因子を含む全身性因子により調節される可能性が高い。そこで本研究では「冬眠」を長期間の不活動・低栄養モデルと仮定し、血液中に分泌される冬眠誘導性生理活性物質の探索を行う。さらに、同定された機能分子が骨格筋細胞のタンパク質代謝制御に与える影響をin vitroおよびin vivoにて解析することで、最終的には不活動状態でも筋肉を弱らせない骨格筋萎縮耐性を獲得させる新規戦略の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
我々はこれまで、冬眠動物であるツキノワグマを対象とした検討の結果、冬眠中のクマにおける骨格筋の廃用性変化は、ヒトを含むその他の動物種に比較して極めて限定的であること (PLOS ONE 2019)、冬眠中のクマの骨格筋細胞では、筋肉を構成するタンパク質の合成・分解の制御系の両者ともに顕著に抑制される「省エネモード」にあること (Sci Rep 2022)などを報告した。さらには、実験的に採取したクマ血清をヒト骨格筋培養細胞に添加するというin vitroの解析系を用いて、冬眠期クマ血清により骨格筋タンパク質代謝が正に制御されることを明らかとした (PLOS ONE 2022)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冬眠動物は、生命維持のために一定程度のエネルギー代謝を維持しながら長期間の不活動・栄養不良を経験し、それでもなお筋肉がほとんど衰えないという、不思議な形質を備えている。本研究により、冬眠期のクマ骨格筋では筋肉を「省エネモード」に変化させることで筋タンパク質代謝を下げ、結果として筋肉量を維持させているということ、冬眠期のクマ血清には筋タンパク質代謝を正に制御する機能が存在することなどが明らかとなった。冬眠動物が有する「使わなくても衰えない筋肉」という未解明の仕組みを明らかにすることで、最終的にはヒトの寝たきり防止や効果的なリハビリテーション手法の開発などが期待される。
|